ヤツデ(八手)

別名 テングノハウチワ
科属 ウコギ科ヤツデ属
学名 Fatsia japnica

性状
常緑低木
葉の分類
互生、単葉、広葉、切れ込みあり、鋸歯あり
類似
備考
まだら入りの園芸品種もある

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形

08.10.31五反田

樹木解説

高さは3-5m。葉は枝先に集まり互生し、長さ、幅とも20-40cmで掌状に7-9裂する。裂片のふちには鋸歯があり、長さ15-40cmの葉柄がある。10-11月、茎の先に直径2-3cmの散形花序を円錐形に多数つける。花は白色で直径約5mm。花弁、雄しべ、花柱は5個。花には両性花と雄花があり、雄花は花柱が短く合着する。果実は球形で翌年4-5月に黒く熟す。

08.10.31五反田 葉は深く7~11裂する 序が集まる 

08.10.31五反田白い小さな5弁花が密についた球状花

09.02.12池田山実は紫色に変わる

09.04.16五反田

09.10.18上福岡

09.11.29森林公園

10.12.02小石川

10.12.02小石川植物園

小説の木々

開け放した縁側の窓から湿った風が吹きこんで来て、ヤヨイは編み棒を繰っていた手を止めた。ずり下がったメガネを押し上げて庭先に目をやると、ヤツデの植え込みが上下に震えるように動いている。「あぁ、雨だ」この家で真っ先に雨に気づくのは、いつも大きな手のような葉を持つ、この植物だ。もっともヤヨイの他には、誰も住んでいない家だけれど。ガラス戸越しに庭先を見ると、ヤツデの震えは大きくなっていて、まるで多くの手が一斉に手招きをしているように見えた。その近くに置きっぱなしにしてある空の素焼きの鉢植えが水を吸って、ぼんやりとした煤竹色から濃い赤紅に変わっている。(「箱庭旅団/秋の雨」朱川湊人)


手洗い鉢の横から伸びた、部厚な八つ手の葉の窪みに、まばゆいほどの陽溜りが出来ている。乾いた風が吹くたびに、廊下の硝子戸越しに青味を帯びた光線が、多加の坐っている畳の上にまで吹き落ちた。(「花のれん」山崎豊子)