セイヨウバラ(西洋薔薇)

別名
科属 バラ科バラ属
学名 Rosa

性状
落葉低木、つる性低木
葉の分類
対生、単葉、広葉、切れ込みなし、鋸歯あり
類似
備考
参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形

09.05.15白金台プリンセス・ミチコ

樹木解説

セイヨウバラは長い年月にわたって改良され複雑な雑種性の園芸品種。現在のバラは植物学的な系統で分類するにはあまりに複雑なので、便宜的に樹形が灌木か、つる性か、あるいは花の大小によって分類するのが普通である。

09.05.15白金台

09.05.15白金台

09.05.12五反田

09.05.12品川

09.09.20神代植物園ロサ・カリナ×ロサ・ガリカ

09.09.20神代植物園ロサ・チュポンティ

09.09.20神代植物園ロサ・モリス

14.11.17花と緑の振興センタープリンセス・アイコ

樹名:西洋バラ
品種:バレリーナ
解説:淡いピンク色で中心が白くなる可憐な一重の平咲き

09.05.12白金台

09.05.12白金台

09.05.12白金台

樹名:西洋バラ
品種:コックテイル、カクテル
解説:樹高2.5m、四季咲。赤色の一重の房咲きで中心は黄色。花径は7cm、花弁5枚。

11.05.05小石川

18.06.04花と緑の振興センター

11.05.05小石川

樹名:西洋バラ
品種:フロキシー・ベビー
解説:樹高 60-90cm。ピンク、一重咲き、極小輪房咲きの花。四季咲き性。

23.10.03ふじみ野市

23.10.03ふじみ野市

23.10.03ふじみ野市

小説の木々

ヨーロッパ人は薔薇の花を愛好するが、われわれは違う。薔薇は桜の単純さをもっていない。さらに薔薇は甘美な花の下に棘をかくしていて、あたかも、その生命に強い執着をもち、死を嫌い恐れて、咲いたまま落ちるよりも枝についたまま朽ちることを選ぶかのようである。その華美な色と濃厚な香りは、わが国の花と著しく異なる特徴である。わが国の桜はその美の下に短剣も毒も潜ませてはおらず、自然のままに散り、その色彩は少しも華麗ではなく、その香りは淡くて、人を飽きさせない。」と言い、桜をそして日本を賛美する。しかし、桜を日本国の花だとしながらも、「このように美しく、かつ、はかなく散りやすく、風のままに舞いながら、ひとすじの香気を放ちながら永久に消えてゆくこの花は、はたして大和魂の象徴なのか、日本の魂はこのようにもろく、そして消えやすいものであるのだろうか。(「武士道」新渡戸稲造)

少々古びてはいるが、駐車場も玄関ポーチもきれいに掃き清められた小さな診療所の背後に、桑の木ほどの丈に揃えられたバラの木の生い茂る広大な庭がある。しかしすでにバラの季節は終わっており、ピンク色の貧弱な花がぽつりぽつりと残っているだけだ。・・たしかにいくつか咲き残っている花をみたところ、一般的なバラのイメージではない。桜色の花びらは軽やかな一重で、淡い色のハマナスのようである。(「純愛小説」篠田節子)

緑の木立がドーム状に道を被っているような、鬱蒼としたカラマツ林の奥にある別荘だった。イギリスふうに、さりげない手入れが施された広大な庭園には、雇い入れている庭師が、連日、丹精込めて育てたという薔薇が開き乱れていた。よく晴れた夏の夜、薔薇の甘い香りが庭いっぱいに放たれて、時折、バーべキューの煙の匂いの中にも嗅ぎ分けることができた。・・伸び放題に枝を伸ばした薔薇の、咲き誇る花や生えそろった葉のせいで、そこは闇に沈んでいた。葉と葉の隙間から、遠くの別荘明かりが揺らいで見えた。(「冬の伽藍」小池真理子)

バラには様々な咲き方がある。一季咲きなら春のみに花を開くが、返り咲きなら春の開花の後、夏、秋にも若干花を付ける。四季咲きのバラは春夏秋と咲き続け、温度管理さえすれば冬でも咲く。玲子は冬バラが嫌いだった。葉が半ば落ちて棘が目立つ枝にしがみつくようにして花を咲かせる。その花が鮮やかであればあるほど、なんだか惨めで潔くないと感じたからだ。無論、この様子を健気だとか孤高の美だと言う人もいる。だが、玲子には冬バラがお高くとまって見えた。・・冴え冴えとした冬の青い空の下、真っ赤なバラが一輪風に揺れている。まるで玲子をあざ笑うかのようだ。逃げても無駄。おまえもあたしと同じ、と。玲子は思わず震えた。きっと今も怖い顔になっているだろう。わかっているのに抑えられない。・・木枯らしが唸りを上げて耳元をかすめていった。冬バラが激しく揺れた。玲子はじっと血の色をしたバラをみつめていた。(「イオカステの揺籃)遠田潤子)