ヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)

別名 ヒマラヤシーダー
科属 マツ科ヒマラヤスギ属
学名 Cedrus deodara

生活型
常緑高木
葉の分類
互生、単葉、針葉、線形
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形

13.04.17新宿御苑

樹木解説

高さは20-30m、原産地では50m、直径3mにもなる。枝は水平に広がり、樹冠は円錐形。樹皮は灰褐色で鱗片状にはがれる。葉は短枝では多数束生し、長さ2.5-5cmの針状。10-11月に開花する。雄花は穂状で長さ約3cm。雌花は円錐形で淡緑色。球果は長さ6-13cmの卵形、翌年の10-11月に成熟すると果鱗が落ち、果軸だけ残る。

08.10.29五反田

09.10.03新宿御苑

09.10.03新宿御苑

09.11.01宇都宮

小説の木々

日曜日の遊歩時間、病気で拘置所の病院に入院中の梅津被告を除く二十四被告は、コンクリートの日だまりで、あるいはヒマラヤ杉の木陰から、雪を頂いた富士山を賞でていた。晴天の日はほぼ眺められるのだが、これほど美しく、くっきりした山容が望まれるのはめったにないことだった。・・直接、地面に触れることは出来ないが、蒸せ返るような独房から出て、外気にふれ、ヒマラヤ杉の陰に集まって、上半身裸で、囲碁や将棋をさして、一同が顔を合わせて話せる時間であった。(「二つの祖国(四)」山崎豊子)


代々木公園に隣接していて窓からの景色は、四階まで高いヒマラヤスギに覆われている。その濃緑の枝をたわませながら、雪は器用にその先端にまで積もっている。灰白色の空を背に、音もなく一定のテンポで続く雪の落下が、やがて蒔野の時間感覚を乗っ取っていった。(「マチネの終りに」平野啓一郎)