ハマナス(浜茄子)

別名 ハマナシ(浜梨)
科属 バラ科バラ属
学名 Rosa rugosa

性状
落葉低木
葉の分類
互生、複葉、1回羽状複葉、切れ込みなし、鋸歯あり
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形


09.05.26白金台

樹木解説

高さは1-1.5mになる。枝には短い軟毛と長さ2-9mmの刺が多く、刺にも軟毛が密生する。葉は奇数羽状複葉で互生する。小葉は長さ2-3cmの楕円形または卵状楕円形でふちに鋸歯があり、表面にはしわがある。托葉は大きく、下部は複葉の柄の基部で合着する。開花時期は6-8月で、枝先に紅色で直径6-8cmの大形の花を1-3個咲かせる。花弁は5個で広倒心形。8-10月に結実する。果実は、親指ほどの大きさで赤く、弱い甘みと酸味がある。

10.05.16小石川植物園

09.05.26白金台

10.05.22森林公園

10.05.22森林公園

09.10.04森林公園シロバナハマナス(f. alba)

10.05.22森林公園

09.10.04森林公園

09.11.29森林公園

樹名:シロバナハマナス
学名:Rosa rugosa f. alba
解説:白花種

15.05.15筑波実験植物園

15.05.15筑波実験植物園

15.05.15筑波実験植物園

品種:ピンクグルーテンドルスト(Pink Grootendorst)
解説:ハマナスを交配の親とする「ルゴザ系」の一つ

14.05.16赤塚植物園

14.05.16赤塚植物園

14.05.16赤塚植物園

樹名:ハンザ
学名:Rosa rugosa hyb. Hanza
解説:ハイブリッド雑種

14.06.24北大植物園

14.06.24北大植物園

14.06.24北大植物園

樹名:ヤエハマナシ
学名:Rosa rugosa Plena
解説:

16.05.15神代植物公園

16.05.15神代植物公園

16.05.15神代植物公園

小説の木々

盛夏だ。光が万遍なく行き渡っている。この光景は俺の気持ちにしっくり来る、と達夫は思う。肩を並べて海岸通を渡った。夏草に踏み込んだ。草と枯れかけたハマナスの潅木に蜘蛛が巣を張っている。昨夜の雨で水滴が巣にこびりついて、揺れながら光った。湿っぽい草がサンダルばきの裸の足音に触れる。草ずれが皮膚を刺した。「こんなハマナスなんてよ、潮にすぐやられる。市役所の奴らは何を思っているのかな」男が潅木を蹴った。蜘蛛の巣が揺れ、水滴が震える。(「そこのみにて光り輝く」佐藤泰志)

庭、と呼んでいいものか、境のない敷地のあちこちで、可愛らしい草花たちが迎えてくれる。良子は、ボストンバックを膝の上に抱え、植えたばかりのハマナスのそばにしゃがみ込んだ。まるで我が子を愛でるように、そっと手を伸ばす。「良子!見てみろよ。ハマナスがさいているぞ」「篤ちゃん、こんな山の上にハマナスが咲いているわけないでしょう」花のそばにしゃがんで、ハマナスによく似たバラ科の「オオタカネバラ」だと教えてやる。(「愛を積む人」豊田美加)