ヤマナシ(山梨)

別名
科属 バラ科ナシ属
学名 Pyrus pyrifolia

性状
落葉高木
葉の分類
互生、単葉、広葉、切れ込みなし、鋸歯あり
類似
備考
和なし(日本なし、Pyrus pyrifolia var. culta )、中国なし (P. bretschneideri) 、洋なし(西洋なし、P. communis )の3つがあり、食用として世界中で栽培される。一般にナシというのは和なしのことで、ヤマナシを基本種とする栽培品種群のことである。

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形


10.04.18新宿御苑

樹木解説

野生のもの(ヤマナシ)は直径が3~8センチメートル程度と小さく、果肉が硬く味も酸っぱいため、あまり食用には向かない。樹皮は灰紫黒色。葉は互生、長さ6~18cmの卵円形~卵状長楕円形で縁に細かい針状の鋸歯がある。4月枝先に直径3.5~4cmの白い花を5~10個散房状に開く。花弁は通常白色、5枚の離弁が基本であるが、色や花弁数には変異がある。また、おしべは約20本、花柱は5本である。葯は紫色を帯びる。

12.06.07小石川植物園

12.04.10小石川植物園

12.04.10小石川植物園

09.08.30湯殿山

13.03.28稲城市品種:雛菊

13.03.28稲城市

13.03.28稲城市

13.03.28稲城市

小説の木々

最近、母親の部屋には、もうとっくの昔に亡くなっている姉さんやバアサンが訪ねてくるようになっていて、オレには何の変哲もなく見える天井近くのその辺りに別の入口があるようだった。「何か用でもあったのかな」オレもその世界の住人になってみる。「うん、梨の樹に実が生ってるって知らせに来たの」確かにオレが育った製鉄所の社宅の隣りの庭には大きな梨の樹があって、張り出した枝にいくつも実が生っていた。オレの頭を優しく撫でてくれたバアサンの細い腕や肘の手触りが、梨の樹肌に似ていたことを思い出した。(「骨風/今日は はればれ」篠原勝之)