ネムノキ(合歓の木)

別名
科属 マメ科ネムノキ属
学名 Albizia julibrissin

性状
落葉高木
葉の分類
互生、複葉、2回羽状複葉、切れ込みなし、鋸歯なし
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形


12.06.26小石川植物園

樹木解説

高さは6-10mになる。樹皮は灰褐色で褐色の皮目が目立ち、滑らか。葉は有柄で互生、長さ20-30cmの大形の偶数2回羽状複葉で羽片は7-12対。小葉は18-29対あり、長さ5-15mm、幅2.5-4mmで革質。ふちは全縁で短い毛がある。裏面は短毛があり、粉白色となる。6-7月、枝先に10-20個の花が集まった頭状花序を総状にだし、開花する。雄しべは多数で花糸は淡紅色で長さ3-4cmと長い。雌しべは白色の糸状で雄しべより長い。萼は長さ約3mmの筒状で微短毛がある。豆果は長さ10-13cmの広線形で10-15個の種子が入っている。

12.07.14森林公園

10.06.23上福岡

12.07.14森林公園

09.06.10白金台

10.06.23上福岡

10.06.23上福岡

12.06.26小石川植物園

11.09.06昭和記念公園

小説の木々

遊び場の隅には大きな合歓の木があってうす紅いぼうぼうとした花がさいたが、夕がた不思議なその葉が眠るころになるとすばらしい蛾がとんできて褐色の厚ぼったい翅をふるわせながら花から花へ気ちがいのようにかけまわるのが気味がわるかった。合歓の木の幹をさすればくすぐったがるといってお国さんと手のひらの皮がむけるほどさすったこともある。夕ばえの雲の色もあせてゆけばこっそりと待ちかまえていた月がほのかにさしてくる。(「銀の匙」中勘助)

ちょうど河岸に生えている合歓の木が満開だった。細かい房のような桃色の花が咲いている。「ほら、来海。かわいいお花が咲いている」「ほんと、かわいいお花やね。これ、合歓の木って言うの?」「え?」憂が振り向いて私を見た。「・・・合歓の木?」「そう・合歓の木。夜になると葉っぱが閉じるの。だから、眠っているみたいやから合歓の木」「夜、眠る・・・」憂はじっと合歓の木を見ていたが、やがてあちこちを見渡した。(「ドライブインまほろば」遠田潤子)