樹木解説
高さは約15mになる。樹皮は暗灰色。葉は奇数羽状複葉で長さ20-35cm。小葉は2-4対あり、長さ5-15cmの長卵形で、ふちには鋸歯がある。4-5月、本年枝の先や葉腋から円錐花序を出し、花冠の小さな花をつける。果実は翼果で長さ3-4cmの倒披針形。
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小説の木々
自分の務めを果たし、ようやく手に入れた明るい庭に、母親はトネリコを植えた。大きく育てて家のシンボルツリーにするのだと喜んでいた、けれど母親の期待を背負ったトネリコは小さいまま、弱い風にも細い枝を不安定に揺らす。「この木はハズレね」母親は業者を呼び、トネリコをあっさりと引き抜いてしまった。母親にとって期待に添えないこと、それもただ成長する、そんな当たり前のことすらできないトネリコは何の価値もなくなる。トラックの荷台にゴミのように放り込まれた痩せたトネリコを見送るぼくを尻目に、すぐに新しいトネリコが植えられた。(「流浪の月」凪良ゆう)