キョウチクトウ(夾竹桃)

別名
科属 キョウチクトウ科キョウチクトウ属
学名 Nerium indicum

性状
常緑低・小高木
葉の分類
輪生、単葉、広葉、切れ込みなし、鋸歯なし
類似
備考

参考:葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹の咲く花(山と渓谷社)

樹形


11.06.06浜松町

樹木解説

高さは3-4mになる。葉は普通3個が輪生し、長さ6-20cmの線状披針形で、ふちは全縁。質は厚くて光沢がある。6-9月、枝先に集散花序をだし、直径4-5cmの花を多数つける。花冠は筒状で、先は5裂して平開する。裂片はらせん状に重なる。雄しべは5個。葯は長い毛状になり、互いに接して柱頭と合着する。萼は5裂し、萼片は長さ5-6cmの披針形で先端はとがる。花の色は変異が大きく白、紅色、八重咲きなどもある。果実は長さ10-14cmの線形の袋果で直立する、

15.06.23花と緑の振興センター

11.06.01上福岡

11.06.06浜松町

15.05.25川口グリーンセンター

15.05.25上福岡

11.06.06浜松町

11.06.06浜松町

12.10.28ペルーイカ

小説の木々

車窓の外に、水銀灯の光を浴びた鮮やかな色彩がゆらいでいる。高速道路に沿って植えられた夾竹桃の花で、前方からみると、車が通過する度に風圧であおられ大きく揺れている。三日前の朝、羽田空港へタクシーでむかう途中もその色彩に眼をとめたが、その時よりも花が多くなっているように思えた。暑熱も増し、夾竹桃は花の盛りを迎えているらしい。道路の両側がすき間なくふちどられている。夜空を背景に、道路と平行した高架の上をモノレールが進み、その上方を、赤い点状の灯を点滅させながらジェット機の黒々とした機体が通過していった。(「夾竹桃」吉村昭)

開け放した窓から手をのばしたら、捕まえてしまいそうだった。くもにはあたしの手が見えないのか、糸でぐるぐるまきにして真っ白になったオニヤンマに咬みついたまま、動かないでいる。高い笑い声が、巣のかかる夾竹桃の茂みのむこうに上がった。あたしは手をひっこめて、ピアノの前に戻った。(「みなそこ」中脇初枝)

夾竹桃の枝には、人を殺める毒がある。ーと、自殺した友達が昔言っていた。・・ぱっと視界に飛び込む、濃紅の花々。赤い花は夾竹桃か。カーブの内側にこんもりとした茂みがある。ワンピースの女にはあまり存在感がなかったため、最初は幻覚かと思った。だが車が近づくと女は体を動かし、夾竹桃の葉陰に隠れるように身を寄せる。(「聖女の毒杯」井上真偽)

校庭のフェンスに沿って夾竹桃が植わっている。桃色の花が満開だ。思わず目を逸らした。夾竹桃の花は苦手だ。理由は二つある。一つ目は、真夏に咲く桃色の花が暑苦しくて押しつけがましく感じること。そして、二つ目は毒があるからだ。それを教えてくれたのは父だ。この前、父と散歩していたときのことだ。ふいに父が夾竹桃を指さした。(「銀花の蔵」遠田潤子)