草花解説
草丈は40-70 cmになる。夏に茎が立ち上がって伸び、先端に穂をつける。葉は匍匐茎にも花茎にも多数ついており、最大20 cm位、イネ科としてはやや幅広く、細長い楕円形、薄く、緑色でつやがない。花序は円柱形で、一面に花がつき、多数の毛が突き出すので、外見はブラシ状になる。
19.07.02上福岡 |
19.07.02上福岡 |
19.07.02上福岡 |
17.10.10広島県庄原市 |
小説の草花
幼い頃に法子がよく通った道を、藍子がよちよちと歩いていく。途中、雑草が生い茂っている場所を発見して、藍子が身を屈め、ねこじゃらしを数本、プチプチと抜く。不思議なものに触れるように穂先をさすっているのを見て、法子も数本抜いて、束にして持たせてやった。遠くで、農業用のトラクターが動いている音が聞こえる。世間的には休みの日であっても、どこかの畑からは作業の音が聞こえるのが、法子にとっては昔から当たり前の光景だった。(「琥珀の夏」辻村深月)