ヒノキ(檜)

別名 
科属 ヒノキ科ヒノキ属
学名 Hamaecyparis obtusa

性状
常緑高木
葉の分類
対生、単葉、針葉、鱗片状
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形

13.05.04上福岡

樹木解説

高さは普通20-30m、大きいものは高さ50m、直径2.5mにもなる。枝は細く水平に広がる。樹皮は赤褐色でやや幅広く縦に剥がれる。葉は鱗片状で交互に対生し先は鋭い。裏面の気孔帯はY字に見える。花は4月に開く。雄花は長さ2-3mmの広楕円形で紫褐色、雌花は直径3-5mmの球形。球果は直径8-12mmのほぼ球形で10-11月頃成熟すると赤褐色になる。

11.01.30森林公園樹皮は赤褐色で縦に薄くはがれる

13.05.04上福岡

13.05.04上福岡

14.05.14森林公園

11.01.30森林公園

10.02.20新宿御苑葉裏の気孔帯がY字

13.05.04上福岡

11.12.07小石川植物園

小説の木々

俺たちは西の山の頂上に来ていた。ヒノキの枝打ちをするためだ。ひとつの山でも、日当たりや土の状態を見て、杉とヒノキの両方を植林することがある。土が痩せていて日当たりが多少悪いほうが、杉にとってはいい。だからたいてい、八合目より下に植える。反対にヒノキは、山のうえのほうに植える。水はけと日当たりがいい場所を好み、杉よりは寒さや雪に強いからだ。(「神去なあなあ日常」三浦しをん)

紀子はその樹に見覚えがあった。ふた抱えもあるヒノキで、著しい特徴は、梢がなくなっていることだった。いつの頃か、雪にでも吹き飛ばされたのだろうが、幹の先は瘤のように固ま利、失われた幹の下から、樹勢が太い枝をくの字に吹き出していた。現在、そのヒノキの幹には、藁が巻かれ、枝はすっかり剪定されて、わずかな葉を寒々と残すばかりだった。(「湖底のまつり」泡坂妻夫)