タイサンボク(泰山木)

別名 ハクレンボク
科属 モクレン科モクレン属
学名 Magnolia grandiflora

性状
常緑高木
葉の分類
互生、単葉、広葉、切れ込みなし、鋸歯なし
類似
備考
参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形


13.06.23神代植物公園

樹木解説

高さは20mくらいになる。樹皮は暗褐色。葉は互生し、長楕円形で長さは10-25cm、ふちは全縁で裏側に反り返る。葉表は光沢があり、深緑色、葉裏は褐色の毛が密生する。花期は6月、枝先に白い花を上向きにつける。直径15-25cmと大きく、花被片は9個ですべて花弁状で3個ずつ3輪つく。果実は袋果が集まった集合果で、長さ8-12cmの楕円形で、10-11月に熟す。袋果の中に2個の種子が入る。

13.09.10新宿御苑

13.09.10新宿御苑

13.09.10新宿御苑

12.03.27新宿御苑

11.06.08上福岡

10.06.22新宿御苑

11.06.08新宿御苑

11.06.08新宿御苑

学名:Magnolia grandiflora 'Little Gem'
品種:リトルジェム(Little Gem)
樹高:矮性、2.5m
解説:花は四季咲き性、初夏から晩秋まで次々と咲く

16.07..28花と緑の振興センター

16.07.28花と緑の振興センター

16.07.28花と緑の振興センター

小説の木々

道の向うの塀の中から大きな樹木が葉を繁らせていた。その緑の中でしとどに濡れた泰山木の花が、目のさめるような白さで咲いていた。雨だから、傘をさせばつい下を見て、泥にぬかるんだ道ばかり眺めて歩くものであるのに、茂造は濡れることには頓着なく、傘をかまわず上を向いて歩いて、雨の中で豪華な咲き方をしている花を認めたのであろう。昭子は、胸を衝かれていた。泰山木の花は、美しかった。多く花びらが、恐れずに雨を享けて咲いている。車が走り交う小径の上で、その白さは堂々としていた。昭子もしばらく黙って梅雨に濡れる花を眺め、そして花と茂造を較べ見て、この美しさに足を止めるところをみると茂造には美醜の感覚は失われていないのだと思った。(「恍惚の人」有吉佐和子)