ヒガンバナ(彼岸花)

別名 マンジュシャゲ(曼珠沙華)
科属 ヒガンバナ科ヒガンバナ属
学名 Lycoris radiata

性状
球根性多年草
葉の分類
根生、単葉、線形、切れ込みなし、鋸歯なし
類似
備考
開花期には葉がなく、葉があるときは花がない。
参考:野に咲く花/山に咲く花/高山に咲く花(山と渓谷社)

草形

18.09.20東京都薬用植物園

草花解説

草丈は30-60cm。花の咲く時には葉はなく、花の後に線状の葉が出て、翌春に枯れる。葉は線形で、花が終わると晩秋に現れて束生し、翌年3-4月に枯れるが、深緑色で光沢があり、長さ30-50cm、幅6-8mm。9月、花茎の先に赤い花をつける。花被片は6枚で強くそり返り、長い雄しべが目立つ。総苞片は長さ2-3cm、披針形で膜質、花柄は長さ6-15mm。花は朱赤色で、花被片は長さ約40mm、幅5-6mm、狭倒披針形で強く反り返る。果実は不稔でほぼ種子はできない。

20.09.30小石川植物園

20.10.14東京都薬用植物園

10.09.22神代植物公園

15.09.19小石川植物園

小説の草花

ここへ来る汽車の窓に、曼珠沙華が一ぱい咲いていたわ。あら曼珠沙華をごぞんじないの?あすこの花よ。葉が枯れてから、花茎が生えるのよ。別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。(「掌の小説/化粧の天使達」川端康成)

海辺の町の、小高い丘の上に、彼女が眠る墓所があった。私が墓参に行った時、小さな白々とした墓の横で、真っ赤な曼珠沙華の花が秋の光の中に揺れていた。他には何もなかった。ただ風だけが吹いていた。(「時の銀河」小池真理子)

そういやあの花、曼殊沙華とか彼岸花のほかにも、いろんな呼び方があるんだな。ネットに書いてあったよ。たくさんあったから、ぜんぶは憶えていないけど」それも夫が教えてくれたことがある。死人花。幽霊花。地獄花。剃刀花。狐花。捨子花。(「鏡の花/きえない花の声」道尾秀介)