草花解説
草丈は1-2m。葉は長楕円形、色は緑や赤銅色、葉脈に沿って美しい斑の入るものもある。花期は7-8月、6本ある雄しべが1本を残してすべて花びらになり、雌しべはへら状になる。花色は緋色、ピンク、オレンジ、黄色、白などがあり、葉に斑点や模様のはいるものも多い。
20.08.08上福岡 |
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小説の草花
八月に入り、海の沖に入道雲を浮かべた晴天が続いている。どこにいても、日中はセミたちの合唱が聞こえてくる。道端では赤や黄色やオレンジ色のカンナの花をよく見かける。まさしく夏だ。(「海の見える家それから」はらだみずき)
海辺に近いその場所には、なぜか家は建っておらず、更地になっていた。乾いた土の空き地の奥に、背の高いカンナが赤い花を咲かせていた。次の日、史江は図書館のアルバイトの休憩時間に、何げなく花の図鑑を眺めた。めくったページにはカンナの写真があり、花言葉が添えられていた。カンナの花言葉は「妄想」と書かれていた。(「最近、空を見上げていない/赤いカンナで始まる」はらだみずき)