マグワ(真桑)

別名 カラグワ、トウグワ
科属 クワ科クワ属
学名 Morus alba

性状
落葉高木
葉の分類
互生、単葉、広葉、切れ込みあり、鋸歯あり
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形


10.08.19東京都薬用植物園

樹木解説

マグワは葉の表に毛がなく、先端はあまり長く尖らない。ヤマグワは葉の表に毛があり、先端は尾状に尖る。高さ6-15mになる。樹皮は灰褐色で縦に筋が入る。葉は互生し、長さ8-15cmの卵形または広卵形。縁にはやや粗い鋸歯がある。表面はざらつくが、脈状はほとんど無毛。裏面の脈腋に短毛る。葉柄は長さ2~4cm、無毛。雌雄異株。本年枝の葉腋に花序が1個ずつつく。雄花序は長さ4-7cmの円筒形で、雄花には雄しべが4個。雌花序は長さ5-10mmで、雌しべの柱頭は2個、花柱はきわめて短い。果実は集合果で長さ1.5-2cmの楕円形。はじめは白く、6-7月に赤色からしだいに黒紫色になって成熟する。

10.08.19東京都薬用植物園

10.08.19東京都薬用植物園

15.04.24筑波実験植物園

14.05.27東京都薬用植物園

樹名:シダレグワ
学名:Morus alba var. Pendula

11.08.01振興センター

11.08.01振興センター

14.05.08花と緑の振興センター

小説の木々

桑の葉はびっしりと地面を埋めていて、そこここに雨のしずくが丸く溜まっていて、もう少しで零れ落ちそうだ。遠くには、青い山なみが見える。まだ雲は空の隅で墨色を残して動き続けている。時折、空気を混ぜっかえすように風が吹く。・・桑の葉の匂いと、夏の匂い、風と光の気配を全身に感じながら、桑畑のあいだの畦道を一目散に駆けていく。(「蜜蜂と遠雷」恩田睦)

達也が背伸びして、桑の葉を見上げている。間島さんが枝を引き下ろして指示している先を、私も覗き込んだ。蚕ほどきれいに丸まらない緑っぽい繭が、桑の葉の裏にくっついている。(「愚者の毒」宇佐美まこと)