樹木解説
高さは約2mになる。枝はほとんどしだれない。葉は三出複葉、小葉は広楕円形または広倒卵形で先は円形。6-9月、葉の脇から長い総状花序を出し、紅紫色で長さ1.3-1.5cmの蝶形花を開く。萼は4深裂し先は長く尖る。豆果は長さ約1cmの平たい楕円形。
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小説の木々
夏の暑さはうすらぎ、山間部には山萩の紅紫色花弁がひらきはじめていた。好天の日が多かったが、雷鳴がとどろき稲妻が走って驟雨が町を白く煙らせる日もあった。(「破獄」吉村昭)
萩の花が、薄紅色の霞のように築山の一角を染めている。彼岸を二十日あまり過ぎたというのに、今年は秋が遅い。・・・闇の中に、露を含んだ萩が重たく枝を垂れ、薄の穂は濡れたように光り、鮮紅色の河原撫子が咲き乱れていた。おびただしい数の秋草が、闇を埋めつくして一陣の風に揺れた。(「愛逢い月/秋草」篠田節子)