パッションフルーツ(passion fruit)

別名 クダモノトケイソウ(果物時計草)
科属 トケイソウ科トケイソウ
学名 Passiflora edulis

性状
つる性常緑小低木
葉の分類
互生、単葉、広葉、切れ込みあり、鋸歯なし
類似
備考
多くはつる性多年草で分類されている。

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形


11.08.20東京都薬用植物園

樹木解説

常緑蔓性低木(つる性多年草)。原産地は南アメリカで、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンなど。高さは2-4mくらいになる。新しい茎は柔らかく角張っている。古いものは丸みを帯びて木質化し、巻き髭が出る。葉は幅の広い卵形で、長さは10-20cm。葉の柄のつけ根の部分には1対の突起がある。開花時期は6-8月。花の色は白ないし淡紫色である。花弁と萼片が5個ずつ交互に並び、花びらが10個あるように見える。花の真ん中から髭状の副花冠が垂れ下がる。副花冠の色はつけ根の部分が赤く、先は白い。実は直径が5-10cmの卵円形の液果で、赤く熟する。

11.08.20東京都薬用植物園

13.10.04東京都薬用植物園

11.08.20東京都薬用植物園

12.07.21神代植物公園

補足

 パッションフルーツなどから抽出した物質に、体の機能を調整する「体内時計」の周期を遅らせる働きがあることが、産業技術総合研究所の大西芳秋主任研究員らの研究で分かった。食物から抽出した物質とあって、安全性の高い時差ボケの治療薬の研究につながる成果として注目されている。英国の科学誌「バイオサイエンス・レポート」(電子版)に掲載された。
 体内時計を遅らせる効果が見つかったのは、ハルミンという有機化合物。これが豊富に含まれるパッションフルーツやパッションフラワーには古くから鎮静、睡眠導入効果があると言われていた。大西さんらは、マウスの細胞に蛍の発光遺伝子などを組み込み、体内時計によって約24時間周期で光り方が変わる細胞を作製。これにハルミンを加えて観察したところ、体内時計をつかさどる遺伝子の効果が増強され、約30時間周期へと遅らせる効果が分かった。大西さんは「体内時計を制御するメカニズムはかなり解明されつつあり、ハルミンをさらに調べて時差ボケ予防に役立てたい」と話している。(2011年8月18日01時46分 読売新聞)