西国札所巡り第三回

参考文献:旺文社西国三十三ヶ所めぐり

西国札所京都、大阪、和歌山、奈良を歩く(平成21年11月20日~ 22日)

二回目に続き、京都、大阪、和歌山、奈良を歩く。前回は桜の季節だったが、今回は紅葉の時期である。紅葉で有名な場所も多い。本来は西国札所巡りの懺悔旅である。紅葉よりは観音様の寺を謙虚な気持ちで三泊三日の旅を行くので紅葉狩りの混雑は避けたい。まず初めは木曜日の夜、京都亀岡市に入る。女房は木曜日時間があるので、札所巡り前に嵯峨野辺りの常寂光院寺、嵯峨野厭離庵宝筺院、大覚寺、北嵯峨野直指庵、渡月橋の紅葉を見て回る。最初の夕食は嵯峨嵐山のうなぎで有名な「廣川」で明日からの巡礼旅の英気を養う。

第二十一番菩提山穴太寺(ぼだいさんあなおうじ)

09.11.20京都穴太寺平成21年11月20日(金曜日)晴れ、7:40-8:20
亀岡駅京阪京都バス京都学園大学・穴太寺行10分、穴太寺下車徒歩10分
拝観時間8:30-16:30(納経は8:00-17:00)、拝観500円(境内自由)
亀岡市の南西、のどかな田園地帯にひっそりとたたずむ穴太寺。納経時間が8時だからこれに間に合うようホテルを出る。ご本尊は聖観世音菩薩、「身代わり観音」として信仰を集めている。朝ホテルを出て亀岡駅発7:22のバスで穴太寺に向かう。バス下車後徒歩10分で穴太寺、山門前の原田邸に大きなセンダンの木があり枝には実を付けていた。境内にも大きなムクノキがあり、寺の人に「これムクノキですよね」と訊くと「ええ、椋です」。今年の紅葉は例年より少し早いとのことだが、さすが境内の紅葉は美しい、イチョウもまっ黄色に色づいていた。本堂内、庭園セット500円の拝観はパス。いつもの「般若心経」の納経と朱印をもらい、帰りは電車の時間に少々余裕があったので、天気は良いし、「歩けるところは歩く」のが原則とばかり晩秋の亀岡駅まで歩いた。
 次は京都を経てJR東海道向日町へ行くが早くもここで小さな誤算が発生。 

09.11.20穴太寺/鐘楼

09.11.20穴太寺/多宝塔

09.11.20穴太寺/境内のもみじ

09.11.20穴太寺/椋の木と白土塀

第二十番西山善峯寺(にしやまよしみねでら)

09.11.20京都善峯寺平成21年11月20日(金曜日)晴れ、10:30-12:20
JR京都線向日町駅・阪急京都線東向日駅から阪急バス善峯寺行30分、徒歩8分
拝観時間8:00-16:30、拝観料400円
 亀岡から京都への電車が停止信号で数分停車。京都乗換えを逃すとあとの電車、バスのつなぎが狂い大幅な行程見直しとなる。慣れない京都駅では乗り換え時間が短くなり、到着と同時に走り出し何とか京都発10:02の東海道に間に合いホッとした。向日町ではバス30分待ちだが、同じく善峯寺に行く人達3人とタクシー相乗りで予定より早く到着。この辺りは臨機応変に対応するのが得策。
 今回の巡礼旅ではこの善峯の紅葉が一番良かった。本堂横から多宝塔へと続く石段の上に40mの幹が伸びる老松「遊龍の松」(推定樹齢600年以上、国指定天然記念物)がある。応仁の乱で堂塔伽藍を消失し、江戸時代に徳川綱吉の母桂昌院が復旧に尽力再建したという縁の寺、時間的余裕があったので寺宝展も見て回った。門前に一軒だけある茶店でうどん定食と冷酒の昼食(これが今回唯一の店に入っての昼食となる)。阪急東向日に行くバスはこの時間12:52一本のみ、JRのキャンペーンの光明寺は近いが回る時間も無く断念。

09.11.20善峯寺/山門のもみじ

09.11.20善峯寺/遊龍の松

09.11.20善峯寺/多宝塔

09.11.20善峯寺

第二十三番応頂山勝尾寺(おうちょうざんかつおうじ)

09.11.20大阪府勝尾寺平成21年11月20日(金曜日)晴れ、14:45-16:30
北大阪急行千里中央から阪急バス北摂霊園行45分、阪急箕面駅からは徒歩2時間
拝観時間8:00-17:00、拝観料400円
 次は今日最後の札所、最初レンタカーを使うことも考えたが、極力公共の交通を使うことが原則、ただし、バスは千里中央14:15発1本のみ。何せ一本逃すと計画がガタガタになる。近鉄東向日から南茨木、モノレールに乗り換え千里中央へ、バス乗り場は4番、乗り換え時間8分。初めての場所での乗り換えは気苦労が多い。
 山中に朱塗りの壮大な山門が現れ、境内のもみじが色づいている。勝尾寺は源氏、足利氏などが勝ち運を祈願したことから「勝つ」勝ち運信仰があり、今でも勝ち運を願う多くの人たちが、勝ち達磨を奉納する。納経、朱印をして広い境内を歩き回り、帰りもこの時間1本のみの16:31発バスで千里中央に戻り、天王寺駅へ向かう。天王寺では焼肉の夕食で、「やまチャン」のたこ焼きを買ってホテルに戻った。できれば天王寺から近い葛井寺(ふじいでら)も回りたかったが、記帳時間が17:00までだし、明日朝も時間がないため今回は残念だが除外した。

09.11.20勝尾寺/本堂

09.11.20勝尾寺/多宝塔ともみじ

09.11.20勝尾寺/勝ちダルマ

09.11.20勝尾寺/秋色の多宝塔

第四番槇尾山施福寺[槇尾寺](まきさんせふくじ)

09.11.21施福寺(槇尾寺)平成21年11月21日(土曜日)晴れ、9:45-11:00
泉北高速鉄道和泉中央駅から南海バス槇尾山口20分、槇尾中学校前で下車、オレンジバス槇尾山ルートに乗り換え終点下車、徒歩30分
拝観時間8:00-17:00、拝観料無料
 今回の巡礼で一番難物なところ。和泉中央駅からのバス接続を考えるとどうしても和泉中央駅9:07発に乗るのが必須。天王寺からは予定の平日運転の準急がなく鈍行で行ったため三国ヶ丘での乗り換え時間が迫り焦る。それでもなんとか和泉中央駅から9:07発バスに乗り槇尾中学校前でオレンジバスに乗り換え、帰りもその逆で13:00発のオレンジバス、南海バスで和泉中央駅に戻る。ところがオレンジバスを降りると今日は11:15発の臨時を出すという。1:45の短縮であり、突然今回外していた葛井寺周りの可能性が出てきた。ここは施福寺の山門から本堂までのきつい30分の登りしか道が無い。車椅子の人も担がれて登る、観光というよりまさに巡礼の寺。我々も息を切らしながらも時間通り11時過ぎに下山。オレンジバス乗り換えの槇野中学校前で一度天王寺に戻ろうと南海バスに乗り換えをみると30分以上も待ち時間がある。

09.11.21施福寺/山門

09.11.21施福寺/本堂ともみじ

09.11.21施福寺/奈良方面か

09.11.21施福寺/山門からの石段

第五番紫雲山葛井寺(しうんざんふじいでら)

09.11.21葛井寺平成21年11月21日(土曜日)晴れ、13:00-14:00
近鉄南大阪線藤井寺駅徒歩5分
拝観時間8:00-17:00、拝観料境内自由
 今回予定外の寺、ご本尊は十一面観千手千眼観世音菩薩、現存する千手観音の中で日本最古。境内にはたこ焼き矢の屋台もあり思いのほか庶民的な寺で、参道は坂東の弘明寺に似た感じである。施福寺で槇野中学校まで下りてきたときオレンジバスの運転手さんに聞くと、ここから葛井寺に行くには天王寺に戻らず、このオレンジバスで東南面利へ出て乗り換えてバスで河内長野に出るほうが早いと聞き急遽ルートを変更。葛井寺を回った後は阿部野橋へ出て天王寺に戻り予定のコースに戻ればよい。突発の行程変更も、こうした幸運なルート変更であれば大歓迎である。
 施福寺で西国は昨日第一番の青岸渡寺から初めているといっていた初老の方と一緒になり話す機会があった。同時に四国も並行してすでに2県歩いているとのこと。「ゆっくり回ればいいんですよ。人生そんなに急ぐことはない」「奥様と一緒に回らないんですか」「女房は太って歩くのが苦手だから私一人で回っている」と。いろいろな人がいろいろな回り方で、人それぞれに歩いているんですね。

09.11.21葛井寺/四壁門

09.11.21葛井寺/本堂

09.11.21葛井寺/藤棚

09.11.21葛井寺/南大門

第二番紀三井山金剛宝寺[紀三井寺](きみいさんこんごうほうじ)

09.11.21紀三井寺平成21年11月21日(土曜日)晴れ、15:30-16:00
JRきのくに線紀三井寺駅から徒歩10分
拝観時間8:00-17:00、入山料500円
 ご本尊は十一面観世音菩薩、春の桜が有名、近畿の桜は紀三井寺からと言われ関西一の早咲きの桜の名所となっている。夫婦二人で巡礼している姿をみた。何も見ずにお経をあげしかも長い、さらに二人とも地面に正座。どんな思いかは想像はできないが、少なくとも我々より真摯に巡礼をしている姿だと思えた。ここでも人それぞれの巡礼の姿をみる。ここで納経、朱印をし次は和歌山から奈良に向かう。この日は施福寺、紀三井寺の二つの寺で時間的に一杯と思っていたところ、思いがけず葛井寺まで回ることができて幸運であった。明日の行程を考えて少しでも前進と粉河駅まで進む。三日目の宿は粉河寺前の旅館だから久しぶりの畳部屋かと思っていたら、少年野球チームが同宿しており、三晩洋室ベッド。騒がしいのと、野球チームのあとの脱衣所、風呂場はタオル、パンツ、歯ブラシが散乱しており「仕方ないか」と巡礼旅の寛容な気持ちで片寄せる。帰りしな振り返ると、山の上に朱塗りの豪華な山門が夕陽に映えるのが印象的であった。

09.11.21紀三井寺

09.11.21紀三井寺/結縁坂

09.11.21紀三井寺/観音像

09.11.21紀三井寺/紀伊の海