四国札所巡り第一回(4日目)

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いよいよの四国札所巡りへ、発心の道場 第一番霊山寺から第二十三番薬王寺まで

第十四番盛寿山常楽寺(せいじゅざんじょうらくじ)

11.04.30 7:29常楽寺平成23年4月30日(土曜日) 天候 晴れ
大日寺から2.3km、徒歩40分   LinkIconページトップへLinkIcon戻る


今日は朝食が6時半ということでちょっとゆっくりの7時出立であった。おそらく7時からの大日寺の納経に合わせての時間と思うわれるが、後から考えれば早立ちしたかった。今日の行程は平地28.5km、なんとなく天気はいいし空気も爽やかだしゆっくり行こうかと安心していた嫌い(これが驕りか)がある。
 第十四番常楽寺で出会った子供二人を連れた親子連れ、聞いてみると、もう12年も続けているという。子供はまだ小学生だから、お腹にいる頃から二人で始めて今は子供を連れて年一回のお遍路をしているとのこと。子供も般若心経を上手に詠む。信仰とか宗教とかいう以前で家内安全、無病息災を祈る謙虚な気持ちであろう。しまった、アララギ(イチイ)の木に祀ってあるアララギ大師を見逃した。
 常楽寺を出ると、昨日10km手前で投宿した名古屋の人が歩いてきた。6時に出れば今頃我々に追いつくことになり、山地では無理せず今日は平地なので平地で時間を稼ぐ作戦のようだ。ここで名古屋さんが先行する。

鮎喰川

常楽寺本堂

常楽寺大師堂

大師像

第十五番薬王山国分寺(やくおうざんこくぶんじ)

11.04.30 8:00国分寺平成23年4月30日(土曜日) 天候 晴れ
常楽寺より0.8km、徒歩10分    LinkIconページトップへLinkIcon戻る


常楽寺からほんのすぐ近くに国分寺はある。車遍路の人が増えてきた。バイク、自転車の人もいる。八十八箇所を一回で廻るのを通し打ち、何度かに分けて廻るのを区切り打ちという。特に各県ごとに区切り打ちすることは一国参り。所要日数は通し打ち約40日、区切り打ち約43日。この「打つ」という言葉は遍路が札所を巡拝すること、昔木製や金属製の札を大師堂や本堂の柱や長押に打ちつけた納札の慣習から。「個人差、体力差によっても異なるが、早く廻ることは修行の要素ではなく自己満足に過ぎない。札所から札所の空間が修行の場、納得のいく巡拝を心掛けたい」大体一日1万円見当で見積もり、往復の交通費が掛かるので、通し打ちでも50万円くらい掛かる。区切り打ちはさらに交通費が嵩む。これだけあれば今なら結構な海外旅行ができる。徒歩遍路が贅沢遍路と言われる所以ですね。出発前四国遍路の話をしたらA川さんから「あなたも大変なものにはまったネ」と・・・「♪なのに何故、歯を食いしばり、君は行くのか、そんなにしてまで」

鐘楼

国分寺本堂

国分寺大師堂

創建当初の礎石

第十六番光耀山観音寺(こうようざんかんのんじ)

11.04.30 8:43観音寺平成23年4月30日(土曜日) 天候 晴れ
国分寺より1.8km、徒歩30分    LinkIconページトップへLinkIcon戻る


今日の午前中は比較的短い寺間の歩き。GWに入って遍路さんも増えてきた。巡拝どおり本堂、大師堂のお参りすると納経時間を含め一ヶ所当たり20-30分かかる。これは車遍路をしても同じ。従って廻るお寺が多い日は、歩きには休憩時間とはなるが、結構納経に時間が取られ距離が進まない。坂東33札所をまわったとき納経所に昼休みがあったがこれには困った、この時間に当たるとまるまる一時間待ち時間となる。また、秩父34札所をまわったときバスツアーの団体とぶつかり、ツアーガイドも手伝って朱印を押していたが、これも待ち時間が長くなり悲惨であった。四国ではさすがに時間が押している事が分かっているのか、団体が来ると多くの人手で分担していたようだ。場の礼拝、読経を終えてから納経の手続きをするのが正しい順序だが、それでも団体が来たときと17時までの納経時間が迫ったときは順番を変えて先に納経させてもらった。なお、納経料(納経帳にかいてもらう)は300円。一日100人として一月では、一年では・・とは俗人の考え。

観音寺本堂

観音寺大師堂

大師像

市指定クスノキ

第十七番瑠璃山井戸寺(るりざんいどじ)

11.04.30 9:36井戸寺平成23年4月30日(土曜日) 天候 晴れ
観音寺より2.8km、徒歩48分    LinkIconページトップへLinkIcon戻る


弘法大師がここに来て付近の人が水に不自由しているのを知り錫杖で一突きすると清水が湧き出た。大師は水に映った自らの姿を石に刻んだ。現在の寺号はこの縁起に因んでいるという。弘法清水の縁起が語る井戸は日限(ひぎり)大師堂の中にある。遍路が覗き込んで自分の顔が映れば良し、映らないと3年以内に変事があるという。覗いてきました、映りました。
 ところで弘法大師像をみると、弘法大師の荷物はあのズタ袋だけ、それに菅笠、金剛杖、草鞋。四国八十はヶ所巡りで、私は今回6.5kgのリュック、明らかに弘法大師は身軽そうですね。野宿と言ってもテントを使うわけじゃない、着替えも褌一枚くらいか、あとは着の身着のままで洗濯でしょうね、雨は菅笠でしのぎ、食べ物は分けてもらうかして。考えれば何が必要なのか。一体私は何を6.5kgも持っているのか。人間本当にいる物だけにすると案外軽くなるかもしれません。

昭和44年再建の本堂

大師堂

護摩堂

日限大師堂の井戸

第十八番母養山恩山寺(ぼようざんおんざんじ)

11.04.30 15:45恩山寺平成23年4月30日(土曜日) 天候 晴れ
観音寺より16.8km、徒歩5時間     LinkIconページトップへLinkIcon戻る


本日唯一長い行程、鮎喰川(あくいがわ)を渡ったところで右折。道標どおりに来たはずだが、30分くらい行っても遍路標識が出てこない、番外の地蔵院に行く道で、当初行こうとした徳島駅の方への道へ修正したが、実はこれが間違い。山道と街道がありそのまま真っ直ぐ行っても合流していた。修正したため後戻りで1時間はロス。しかし途中親切に道を教えてくれたバスの運転手さん、地図を見ていたらわざわざ車を止め降りてきて「道分かりますか」と言って道を教えてくれた若い女性。皆さん親切でした、ありがとうございます。
 徳島駅に近づくとぼちぼち食事時、136号線を行けども行けども食べるところがない。時間をロスしたことで二人とも苛々気分。やっと食堂をみつけ750円の鯖定食にありつく。恩山寺まで数km、後ろから外人男女二人がきて我々を追い抜いていった。オーストラリアから来て八十八ヶ所通し打ちをするという。恩山寺まであと700mの標識をみて安心し、自動販売機で水を買った。ところがそこからが苦しい。恩山寺は小高い山の上、長い700mだった。観音寺から道を間違え5時間半も掛かってしまい長い道中だった。

恩山寺本堂

鐘楼

恩山寺大師堂

大師像

第十九番橋池山立江寺(きょうちざんたつえじ)

11.04.30 16:50立江寺平成23年4月30日(土曜日) 天候 晴れ
恩山寺より4.0km、徒歩1時間10分     LinkIconページトップへLinkIcon戻る


今日は16時ごろにはお参りを終えよう考えていたが、恩山寺までで1時間ロスしたため急に厳しくなった。だいぶ疲れが溜まってきた上、納経時刻まで残り1時間、4km。遍路道の竹林の中を行く。立江寺500m前にある今晩の宿にリュックを預け、納経帳をもって女房は急ぐが私は煙草を吸いながらブラブラと時間ギリギリに入る。ここでも先に納経を済ませ、寺の人が閉める準備をしている中、足を引きづりながらゆっくり30分お参りした。 
 宿に戻ると先ほどの外人は風呂に入っていて先に着いた人は食事中。一風呂浴びて外人とともに食事、日本語は駄目で拙い英語で話すと、なんとこの二人は34歳/32歳のハネムーン遍路。よくもまあ言葉も分からないところでしかも通し打ちのハネムーン遍路を計画したものだと居合わせた皆で感心しきり。また、女性がふくらはぎが何かにかぶれ発疹ができ宿では一騒動、氷で今晩冷やすことになったが明日の山道は大変そうだ。明日の道順を聞き早々に就寝。

立江寺本堂

立江寺大師堂

庭の利休梅

多宝塔

11.04.30泊鮒の里<後記>中休み行程のはずが道を間違えたこともあり思いの他きつかった。逆打ちをしてきた人に聞くと、明日は平等寺までは行けても納経時間までには相当厳しいとの意見で、平等寺の納経は明後日に変更。あのオーストラリア人も厳しい日になりそうだ。今日でおおよそ100km歩いたことになる。徳島一国参りのまだ2/3である。
本日の総歩数55,120歩、宿泊料6,000円、ビール大500円、洗濯、明日の弁当無料。
LinkIcon四国遍路第一回(5日目)に続く