四国札所巡り第三回(3日目)

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第二回に続いて、歩き止めの第三十三番雪渓寺から、高知西半分を。四国遍路の寺間最長距離の歩きである。

12.03.18国民宿舎の部屋から土佐の海を臨む平成24年3月18日(日曜日) 天候 雨
 朝から今日もまた雨。朝食は6時半、国民宿舎と青龍寺間は車道以外に奥の院へいく山道があると分かり、雨の中、片道15分の山道を下り青龍寺に出て再び同じ山道を登り返し、徒歩道を繋げて当初の予定通り浦の内湾の外回り道(横浪スカイライン)を行くことにした。ちなみに外回りは内回りに比べ多少アップダウンが多いが青龍寺から合流点まで1.7km短い。晴れていれば土佐の海が綺麗だろうに残念なところ。今日から途中一泊し、二日がかりで第三十六番岩本寺へ向かう。

第三十五番青龍寺の奥の院の山道を往復して、8時前、国民宿舎を横目で見ながら、雨の降りしきる横浪スカイラインを歩く。一時間も行くと帷子崎(かたびらさき)に着くが売店は閉店、トイレはない。展望台のような建物があったが、これは立派な納骨堂、自販機が一台。雨の中、遍路さんには誰にも会わない。皆さん内回り道路らしい。

12.03.18藪椿と土佐の海

12.03.18帷子崎

12.03.18雨に濡れる山桜

12.03.18天気が良ければ・・

 歩き始めてから2時間半、武市半平太の像がある。やっとトイレ休憩。この頃やっと雨も上がった。さらに進むと県道23号線との合流点、さらに行くと須崎の休憩所である。休憩所で長崎さんに再会。少し前に「2km先食事所」をあったので、昼も過ぎているのでここを目指す。ところが行ってみるとなんと定休日なのか閉店、飯が食えない!国民宿舎で食料を調達すべきであったか。さらに進み大間駅に出て駅前のモスバーガに入る。ここまでくれば今晩の民宿あわまで6km足らず。大休止だとばかり、女房は濡れた靴を脱ぐ。今回始めてのコーヒーを飲む。
 かわうそトンネルを抜けると土佐新庄、道の駅かわうその里すさきが現れる。須崎名物「鍋焼きラーメン」は写真で我慢。初日の高知屋で同宿だった平山さんが鍋焼きラーメンを食べたというから随分足が速い。「なかなか美味かった」とのこと。角谷トンネル、久保宇津トンネルを過ぎるとあわ駅に出て宿はすぐそばである。宿に入り食事前の時間ベランダで煙草を吸いながらみた夕陽は明日の晴れを保障してくれるようだ。

12.03.18武市半平太像

12.03.18さらに海岸線を見ながら

12.03.18内回りとの合流点

12.03.18遅い昼食のモスバーガー

12.03.18かわうそトンネル

12.03.18須崎道の駅

12.03.18須崎名物鍋焼きラーメン

12.03.18民宿からの夕陽

12.03.19民宿あわ<後記>同宿は長崎さん、平山さん、ダブルストックで山登りが趣味の滋賀さんご夫婦一組(遍路は小刻み区切り打ち)の6名。食事時女将さんが出てこないので客がビールやコップを自分で出す。右足にマメができ養生、歩くには支障がない。滋賀ご夫婦は盛んに明日は山道をと勧める。
(宿泊料6,000円、トイレW1/和1、洗乾無料、暖房100円、禁煙/ベランダOK)「総歩数50,822歩」

四国札所巡り第三回(4日目)

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第二回に続いて、歩き止めの第三十三番雪渓寺から、高知西半分を。四国遍路の寺間最長距離の歩きである。

12.03.19七子峠平成24年3月19日(月曜日) 天候 晴れ、少々涼しい
 やっと晴天の朝、今日の道は土佐久礼から400m登って200m下りる山道のそえみみず遍路道か、200m登る大坂遍路道を経て七子峠に至る道を行く。花桃が咲き、土筆が芽を出している。ようやく足も慣れてきたようで快調に進むが、今日は大坂遍路道を行くことにした。とはいっても七子峠直前は山道を一気に200m登るので疲れた。山道で葉わさびを採っていたご夫妻と会う。湿気があってきれいな場所でしか採れないそうだ。一汗かいて七子峠へ。汗を拭きながら、七子峠からは先ほど下を潜り見上げた建設中の高速道路の四国で一番高い橋(80m)を、今度は遠く見下ろす。

 途中遍路小屋にこんな文があった、遍路小屋らしい。「ぼけたらあかん長生きしなはれ。年をとったら出しゃばらず、にくまれ口に泣きごとに人のかげ口言わず、他人のことはほめなはれ。聞かれりゃ教えて上げなはれ。知ってる事でもしらんふりいつでも阿保で居なはれ。勝ったらあかん、負けなはれ。いずれ世話に成るならば若い者には花ももたせ、一歩さがっている事が家内仲良くいくこっちゃ。いつも感謝を忘れずにどんな時でもへえおおきに。お金の欲はすてなはれ。なんぼ銭金あったとて死んだら持っていけまへん。あの人ええ人やったな~とそんないい人と言はれるように生きている内にばらまいて山ほど徳をつみなはれ。

 歩いていると車が止まり「どこからですか」と問われ「埼玉です」と答えると、息子が埼玉のXX高校に行っていたと、話しが弾んだ。今日は岩本寺の宿坊に泊まるというと、「×崎というものだが、あそこの女将によろしく言ってくれ」とのことで、宿に入り女将にそのことを言うと女将は早速電話をし確認していた。狭い世界ですね。

 途中しっかりした足取りの70歳近い永田さんに会い、椿食堂で昼食をご一緒した。大坂から来たそうで、最初徳島は歩きツアーで来て、それ以降は友人と一緒とか一人とかで区切りうちをしている。仕事があり長期休暇は取れないので、休日を利用し数日ずつきているとか。一日20kmのマイペースで廻っている。今晩は我々と一緒の岩本寺宿坊泊まり。私がトイレに入っているうちに次の物産センターに行っているからと先に出た。女房は食堂の女将さんと話をしており、散り落ちた胡蝶蘭の咲かせ方を教えたら、食堂の女将さん、他の客をほったらかしにして聞き入り、感激して出掛けにニコニコと飴のお接待を頂いた。

 岩本寺に近づくと永田さんに加えまた数人遍路が増えて数人の集団で話しながら歩いた。埼玉から来たというと同じ県人で新座に住んでいる方(今回2回目とのこと)とも話が出来た。話しながら歩いていてもペースは落ちない。話しながらの歩きは案外にきついはずだが歩きなれているのだろう。

12.03.19遍路小屋

12.03.19昔は街道筋か

12.03.19川辺の桜も綻び始め

12.03.19田畑の朝もや

12.03.19ベニバナミツマタ

12.03.19椿食堂

12.03.19観光物産センター

12.03.19道の駅あぐり窪川

第三十七番藤井山岩本寺(ふじいさんいわもとじ)

平成24年3月19日(月曜日) 天候 晴れ、少々涼しい
青龍寺より徒歩58.5km
 岩本寺は窪川駅の近く案外街中にある。何とはなしに数人の遍路団体で寺に入る。これらの人は今晩皆さん宿坊泊まり。本堂内陣にはお寺には珍しく現代絵画が天井の嵌め絵になっている。高知県を中心に全国から公募し575枚並べられている。仏画あり花や動物の絵もある。ちょっと奇異な感じがしたが、変わったところではマリリンモンローやルノアールの絵もある。岩本寺は立派な寺で、宿坊には遍路グッズも売っており、団体さんも泊まれるように大部屋造りになっている。変わった遍路グッズに、遍路マネキンが般若心経が書かれた遍路マフラーをしていた。

12.03.19本堂

12.03.19倒大師堂

12.03.19天井画

12.03.19開山堂

12.03.19岩本寺宿坊の夕食<後記>初めて宿坊に泊まった。今日は14名程度で、食事は結構豪華。各部屋にも花が活けられている。我々の部屋は15畳もある広い部屋で、隣とは襖で仕切られ少々気を使う。明日の朝は6時に勤行、これも初めて。宿坊入り口裏に喫煙場所がある。煙草を吸っていると坊主頭で作務衣姿の老女がきて「一日に何本吸いますか。私も吸っていたが止めた」といい、ありがたい禁煙のお説教、神妙にお聞きする。この人が明朝、住職と一緒に勤行を始めた。宿坊スタッフではなくお坊さんだったんだ。
(宿泊料6,500円、トイレW4/和2、洗200/乾100/剤0、タオル・歯磨きなし、禁煙、TVなし、暖房無料)「総歩数44,134歩」
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