四国札所巡り第三回(5日目)

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第二回に続いて、歩き止めの第三十三番雪渓寺から、高知西半分を。四国遍路で寺間最長距離の歩きである。

12.03.20岩本寺朝の勤行平成24年3月20日(火曜日)春分の日 天候 曇り
 いよいよ今日から全札所間中最長の第三十七番岩本寺から第三十八番金剛福寺の80.7km。今回のハイライトである足摺岬。まずは5時起きで6時からの勤行に参加。寺を出たのは永田さんと我々が最後で割りとゆっくりの7時45分。永田さんはゆっくりペースの一日20km行程なので少し歩を速めた。国道56号に出て国道と歩き遍路道を交互に延々と進む。途中車が止まり蜜柑のお接待、「セトカですが」と聞きなれない品種であるが、食べてみて吃驚、濃厚な味と甘さ。帰って調べたら土佐せとかは柑橘の王様と言われている品種、美味しかった。

 14時頃佐賀公園の食事所で遅い定食とコーヒーを。遍路姿をしているといろいろな方が声を掛けてくれる。宿も近くなってトイレ休憩した観音寺ではお礼に般若心経を唱えた。やっと今晩の宿に着いたと思ったらそれは民宿みやこで民宿日の出は隣の海側。海に向かってみやこが日の出を覆い被さるように建っている。名前の通り日の出が見えるのだろうかと思う。

12.03.20竹林の中を

12.03.20土佐佐賀温泉こぶしのさと

12.03.20桜遠望

12.03.20真っ暗な藤井トンネル

12.03.20伊与喜川

12.03.20昼食は定食を

12.03.20観音寺

12.03.20有井川駅と土佐くろしお鉄道

12.03.20民宿日の出<後記>今晩は我々を含め投宿者は4名、高知屋、岩本寺宿坊でも一緒だった平山さんと吉川さん。食事中吉川さんが「三十八番は従業員の休養でお休みで納経ができないそうです」と怪情報を流す。いくらなんでも事前の連絡もなしにそれはないだろうと。部屋は10畳でTV、冷蔵庫付き。比較的綺麗な宿であった。しかし、宿の人がほとんど出てこず、嫁さん人しか見かけなかった。食事は一見豪華だが、蟹とオコゼのから揚げがメインでおかずにならなかった。代わりにビールが2本?
(宿泊料6,000円、トイレ洋1/和1、洗100/乾100/洗剤0、ビールは自販機、歯ブラシなし、喫煙)「総歩数51,210歩」

四国札所巡り第三回(6日目)

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第二回に続いて、歩き止めの第三十三番雪渓寺から、高知西半分を。四国遍路で寺間最長距離の歩きである。

12.03.21民宿日の出の日の出平成24年3月21日 天候 晴れ
 本日、空海入定の日。空海は高野山に雪がつもるころ、死の四ヶ月前の十一月十五日に弟子たちをあつめ、「吾、入滅せんと擬するは、三月二十一日寅の刻なり。もろもろの弟子等、悲泣するなかれ」と宣告した。62歳だった。
 日の出はこの時期、木が邪魔をして見えない。歩き始めるとなんとなく民宿日の出に泊まった4名と先の民宿に泊まった2人を合わせ6人の団体なった。平山さんはしゃべり通しだ、ぽんぽんと海外の話も出る。キリマンジェロにも登ったようだ。道は四万十大橋を渡る道と、四万十川を渡し舟で渡る道に分かれる。下田の渡しに乗るには事前に電話予約が必要である。看板には「本日運行休止」とあったが吉川さんが電話して運行を確認。渡し場で船を待っていると、来たのはなんと釣り船。揃って下田の渡しで四万十川を渡り、渡船証明の名刺とお接待の飴を頂いた。渡しの前のトイレ休憩で女房がメガネを忘れた。一旦戻ったが見つからなかった。
 全長1,610mの長い新伊豆田トンネルを越えると食事が出来ると6人とも期待していったが、なんとドライブイン水車は閉店。全員のショックの声が聞こえそう。4km先にコンビニがあるというが、そこまで行くともう平山さんは今日の宿である民宿安宿に着いてしまう。我々はペースを落とし、途中のたこ焼きや夏ちゃんで軽食を摂り、女将さんと近所の方だろうか、雑談しながら熱いたこ焼きを頬張る。

12.03.21なんとなく道連れに

12.03.21海岸線を

12.03.21オオバヤシャブシ

12.03.21下田の渡し

1212.03.21四万十川

12.03.21タブノキ

12.03.21新伊豆田トンネル

12,03,21たこ焼きや夏ちゃん

12.03.21民宿久百々<後記>民宿久百々(くもも)は人気の民宿である。前首相菅さんも2004年12月15日に投宿した写真がある。電話連絡がまずかったのか、我々一人ひとりに一部屋の予約になっていた。一杯で予約を断ったというので申し訳ない気持ち。ここで80ウン歳の老女、もう17年間歩き遍路をしているという。最初は満願に感激したが今は第一番の霊山寺に立つとまた来れましたと感謝をするそうだ。もう一人7回目という先達が同宿であった。四国八十八ヶ所公認先達の資格を取得するには、四国八十八ヶ所霊場会/審議会の必要条件をクリアした上で、札所からの推薦が必要になるそうだ。二人から有難いお話をお聞きしたが、女将は遠慮したのか顔を見せず。初心者としては口幅ったいこともいえず素直に傾聴、少しだけお説教染みて少々堅苦しい。「それぞれの遍路」ですよね。
(宿泊料6,000円、トイレW1/和2、洗0/乾なし/洗剤0、喫煙)「総歩数52,140歩」

四国札所巡り第三回(7日目)

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第二回に続いて、歩き止めの第三十三番雪渓寺から、高知西半分を。四国遍路で寺間最長距離の歩きである。

平成24年3月22日 天候 晴れ
 6時45分、久百々を出立、昨晩先達に「波と戯れなさい」と言われ、大岐の浜の波打ち際を歩く。久百々に同宿した吉川さん、先達は今日は足摺を往復(40km)するので今日で道は別れる。その吉川さんには足摺直前にすれ違った。先達曰く「個々には歩く速度はそれ程違わない。要は休まず歩き続けること」だそうだが、私などはすぐ休憩するのでなかなか。足摺には昼前に到着。この足摺には40年前に来たことがある。今回はその頃読んだ田宮虎彦の「足摺岬」の携え昨晩読み終えていた。しかし、随分様子は変わっており、昔「ちょっと待て」のような標識はなく自殺の名所だった面影はなく明るい観光地に変わっていた。

12.03.22大岐の浜

12,03.22大岐の浜から県道へ

12.03.22足摺近くの穏やかな海

12.03.22ニワウメ

第三十八番蹉蛇山金剛福寺(さださんこんごうふくじ)

12.03.22金剛福寺平成24年3月22日(木曜日) 天候 晴れ
岩本寺より徒歩80.7km
 金剛福寺は四国最南端足摺岬にあり、ビロウや椿の林を抜けると境内は広く立派な造りである。金剛福寺をお参りしたあと、灯台下で民宿でのお接待のお握りを食べていると、韓国の男性が片言の日本語と英語で写真を撮ってくれとデジカメを差し出してきた。土産物屋も遍路相手では商売になるまい。今晩の宿はここから7,8km先だが、白山洞門を見たり、亜熱帯植物園があったのでここにも立ち寄り十分休憩を取った。
 昨晩の先達のもう一言「宿には早めの3,4時には入り、風呂に入りゆっくり休養すること」からすると、我々の歩きはちょっと歩き遍路外れだろうか。

12.03.22ジョン万次郎像

12.03.22亀の石像

12.03.22本堂

12.03.22大師堂

12.03.22足摺岬灯台

12.03.22足摺岬灯台

12.03.22白山洞門

12.03.22夕日

12.03.22民宿夕日<後記>民宿夕日に行く途中何度か電話をもらったが携帯をポシェットに入れていたので気づかなかった。到着が遅いので心配して夕日の女将が掛けてきた。やはり遍路は3,4時には到着するのが普通らしく5時までならと思うのは遅すぎるようだ。宿泊客は我々二人だけ。足摺にある民宿高原はここの両親のようで、ここは女将さん一人、なんだかやる気がないような。だいたい足摺の西海岸はあまり遍路も通らないようで民宿はきれいだがもったいない気がする。長細い10畳くらいの部屋で二人、今夜はお隣さんに気兼ねもなくゆっくり眠れた。ノートに福岡のひとみさんの記述があり我々と同コースで「久百々出発6:40、足摺11:00、夕日14:30」とあり、その速さに驚く。明日は天気予報どおり雨の様子で、すでに夜半から雨が降り始める。
(宿泊料7,000円、トイレW1/和1、禁煙/ベランダ可、タオルあり/歯ブラシなし)「総歩数54,195歩」
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