四国札所巡り第四回(8日目)           

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第三回に続いて、歩き止めの第三十九番延光寺(宿毛)の続きから、いよいよ菩提の道場愛媛県へ。四国遍路後半に突入である。

第四十六番医王山浄瑠璃寺(いおうざんじょうるりじ)

12.11.22 第四六番浄瑠璃寺平成24年11月22日(木曜日) 天候 晴れ
岩屋寺より徒歩29.0km
 三坂峠から鍋割坂を松山方面へ一気に下る。朝のやや肌寒い冷気はむしろ心地良い。浄瑠璃寺まであと3kmのところに、「網掛石」なるお堂がある。弘法大師が網をかぶせて棒で動かしたされる巨岩があり、この名前がついたよし。ただし、お堂はあったが巨岩は分からなかった。弘法大師の言い伝えはあちらこちらにあるが、言い伝えどおりなら、まるでスーパーマンである。本堂前には樹齢千年と言われるイブキビャクシン(市の天然記念物)があった。また、境内には「おかけ下さい」と書かれた「説法石」、左手に数珠を持つ「籾大師」、仏の両足の足型だという「仏足石」。はてさてご利益はいかに。

12.11.22 三坂峠から松山方面

12.11.22 鐘楼

12.11.22 本堂

12.11.22 大師堂

第四十七番医熊野山八坂寺(くまのざんやさかじ)

12.11.22 第四十六番八坂寺平成24年11月22日(木曜日) 天候 晴れ
浄瑠璃寺より徒歩0.9km
 浄瑠璃寺から八坂寺は0.9kmと、すぐそばにある。道も平坦で歩きやすい。大体一つの寺で納経までして20~30分。今までは一日に回る寺数はそれ程多くないが、香川県辺りは多く固まっている。寺参りをしない日は一日30km程度を歩くことができるが、寺数が多くなると必然的に歩く時間が制約される。歩程スケジュールには注意が必要である。と思っていると団体さんがきた。以前書いたがこれも要注意。添乗員が沢山の納経帳を持ち込み、場合によっては添乗員自らスタンプを押しながら沢山の納経を処理していく。この後につくと悲劇で数十分待たされることになる。急いで納経を済ませた。

12.11.22 三坂峠方面を振り返る

12.11.22 本堂

12.11.22 大師堂

12.11.22 地蔵尊

第四十八番清滝山西林寺(せいりゅうざんさいりんじ)

12.03.24第三十九番延光寺平成24年11月22日(木曜日) 天候 
八坂寺より徒歩4.5km
 八坂寺を出るとすぐに別格文殊院や札始め大師堂ある。さらに松山自動車道を潜り、西林寺に向かう。寺近くに杖ノ淵があるというので寄り道。ここには全国の水百選にも選ばれたという名水があるという。四国は旱魃が多く、苦しむ衆生のために弘法大師が杖によって水源をみつけたという言い伝えがあり、これまでまったく枯れたことがないという。ここは西林寺の奥の院でもあり、公園となっていてトイレも綺麗で、ちょうど遊びに来ていた親子に名水の場所を聞く。ただ思ったほど水量はなくチョロチョロくらいで、ペットボトルの水を入れ替えた。

12.11.22 三坂峠から松山方面

12.11.22 鐘楼

12.11.22 本堂

12.11.22 大師堂

第四十九番西林山浄土寺(さいりんざんじょうどじ)

12.11.22 第四十九番浄土寺平成24年11月22日(木曜日) 天候 晴れ
西林寺より徒歩3.1km
 小野川に掛かる遍路橋を超え、伊予鉄道の久米駅に近づくと食堂もチラホラ。久し振りにラーメンを食べたくなって豚太郎というチェーン店に入り、ラーメン、餃子、生中を注文。久し振りだったのかうまかった。山道はともかく国道、県道沿いのドライブイン、食堂、喫茶店の荒れ様は目を覆いたくなるばかり。遍路協会の地図にある(食)の印も着いてみればほとんど廃業状態。高速道路が発達して車が止まらなくなったからなのか。歩き遍路がいかに増えても、そもそもその程度の数では挽回することは不可能である。こうなると朝コンビニで買うお握りが頼りである。民宿のお接待でお弁当が出るのは、なおのことありがたい。

12.11.22 仁王像

12.11.22 本堂

12.11.22 大師堂

12.11.22 薔薇と地蔵尊

第五十番東山繁多寺(ひがしやまはんたじ)

12.11.22 第五十番繁多寺平成24年11月22日(木曜日) 天候 晴れ
浄土寺より徒歩1.7km
 日尾八幡神社を通り過ぎ、墓地道を抜け、30分も歩くと閑静な場所にある繁多寺につく。手水舎で手を洗い、鐘楼で鐘をやさしく一つ撞く。一応鐘楼の下には通常浄財の箱があり、お布施を納めてからつくものだが、本堂、太子堂でお布施を納めるので我々は省略。回数は1回である。寺に寄っては撞けないところもあったり、浄財が強制になっているところもある。「ゴ~ン」と晩秋の静かな畑野に鐘が鳴り響く。ちなみに参拝をしてから撞くのは「戻り鐘」といって縁起が悪いといわれるので必ず参拝前に撞く。

12.11.22 日尾八幡神社

12.11.22 本堂

12.11.22 大師堂

12.11.22 石手川

第五十一番熊野山石手寺(くまのざんいしてじ)

12.11.22 第五十一番石手寺平成24年11月22日(木曜日) 天候 晴れ
繁多寺より徒歩2.8km
 途中道を尋ねるとそこを曲がって17分と随分詳しい説明を受ける。その通り17分後に石手寺門前に到着。仁王門前は店が並び大きな寺を思わせる。境内には三重塔が建ちまだ多くの人が参拝している。なかに東南アジア風のパゴタがあり聞くとビルマ戦没者の慰霊碑だという。納経をしていた女房がどうやら台湾からの観光客ガイドにつかまり遍路についてインタビューを受けていた。天空さんがつかまったらもっと大変なことになっていただろう。参拝を終え、閉店しかかった店で石手寺名物の焼餅を食べようと天空さんと3人で一つづつ焼餅を買って食べた。ぼちぼち夕闇が迫ってきた。しばらく行くと坂の上に今日の宿はあった。

12.11.22 本堂

12.11.22 大師堂

12.11.22 三重塔

12.11.22 仲見世

12.11.22 松山YH<後記>松山の宿は比較的高い、なんと言っても一泊二食で4,935円は安かったのでYH(ユースホステル)に宿を取った。YHは学生の頃随分利用したものだが、最近では会員でなくても泊まれるようだ。車遍路の人が3人(一人は軽で青森から来ていた)泊まっていたが、民宿とは雰囲気がかなり異なる。大統領(YHでは主人をこう呼ぶらしい)が、足や肩の痛みを取るおまじない(治療?)をしてくれたが何だか効いたような。後半靴紐をきつく縛りすぎたようで足が少々浮腫んで痛い。おまけに小さな豆を宿で借りた爪切りでぞんざいに切ったのでここも痛い。今回はもう一日だからいいようなものを、今後は気をつけなければいけない。
総歩数「45,480歩(27.2km)」6時間40分