四国札所巡り第五回(2日目)

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第四回に続いて、歩き止めの第五十三番円明寺(伊予和気)の続きから。今回は菩提の道場愛媛県から涅槃の道場(香川県)へ。四国遍路もいよいよ大詰めである。

平成25年3月15日(金曜日) 天候 晴れ
 朝食6時半、7時15分に宿を出発。晴れてはいるが風は北風で少し寒い。途中コンビニで昼食を調達。第五十三番から第五十四番は34.4kmで、昨日11km歩いているので延命寺まであと23.4km。鎌大師では歩き遍路さんが二人休んでいた。今治市に入り、菊間の遍照院で休憩。菊間は瓦造りが盛んで多くの瓦屋がある。「葉山」という地名に親近感を覚える。11時半頃里の浦海浜公園で休憩、昼食。夏は海水浴場になっているようでシャワー施設も完備している。瀬戸内海の海は穏やかで心地よい。途中旧庄屋の井出家跡は屋根に天水瓶が載っている。当時天水瓶が許されるのは異例のことだったらしい。庭に樹齢350年という楠があった。こうした巨木を前にすると、直に歴史の長さ、深さを感じる。

13.03.15鎌大師

13.03.15遍照院

13.03.15里の浦海浜公園

13.03.15井出家の大楠木

第五十四番近見山延命寺(ちかみざんえんめいじ)

12.11.16 第四十番観自在寺平成25年3月15日(金曜日) 天候 晴れ
円明寺より徒歩34.4km(宿から23.4km)
 ここ延命寺は元首相菅さんが、ここまで来ていなかったから首相延命ができなかったといわれた寺。山門前には第二次世界大戦中軍から鐘を供出せよと厳命されたが、越智熊太郎の尽力で供出を免れたという梵鐘がある。さて今回区切り打ちの最初の寺である。気を引き締めて本堂、大師堂で経を唱える。車遍路の二人とすれ違う。
鐘楼脇に「車でお越しの方、旧遍路道を歩いてみませんか」とある。次の南光坊まで3.4kmである。歩きながら桜の写真を撮っていると、地元の方と話が弾み、南光坊へ向けて一緒に暫く歩く。昭和28年早稲田大卒、東京ではヤクザに絡まれてこちらに帰ってきたとか。もう60年も前の話というので80歳くらいの方だろうか。親切に南光坊までの道を教えてもらって、高速を潜り南光坊の到着する。

13.03.15梵鐘

13.03.15山門

13.03.15大師堂

13.03.15六地蔵

第五十五番別区山南光坊(べっくざんなんこうぼう)

13.03.15南光坊本堂平成25年3月15日(金曜日) 天候 晴れ
延命寺より徒歩3.4km
 仁王門は立派だが中に入るとなんともまとまりのない感じを受ける。境内は広いが、本堂と大師堂の間にバス駐車場、車道があり、地面も乾燥して土埃が上がりそうである。車遍路のお二人と挨拶を交わす。
 隣接して別宮大山祗(べっくおおやまずみ)神社がある。こうした構造は至るところで見られ昔の神仏混交の名残であろう。小彼岸桜か、一本の桜が満開であった。ゆっくりする気にもならず早々に近くの宿に向かう。

13.03.15仁王門

13.03.15仁王像

13.03.15大師堂

13.03.15大山祗神社

<後記>15時半頃、南光坊の近くの宿である笑福館に到着。今日はもう少し距離を稼ぎたかったが、次の第五十六番の宿坊がやっていないというので、手前で投宿。人の良さそうな老女の女将さんが出てきた。今日の客は我々二人のみ、昨日も二人だけだったとかで、遍路客のピークは4,5月だという。
総歩数「45,646歩」27.3km(6時間20分)
一泊二食6,000円、トイレ和1+洋1、洗濯乾燥有料