四国札所巡り第五回(6日目)           

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第四回に続いて、歩き止めの第五十三番円明寺(伊予和気)の続きから。今回は菩提の道場愛媛県から涅槃の道場(香川県)へ。四国遍路もいよいよ大詰めである。

第六十五番由霊山三角寺(ゆれいざんさんかくじ)

13.03.19第六十五番三角寺本堂平成25年3月19日(火曜日) 天候 晴れ
前神寺より徒歩45.2km
 さていよいよ今日は三角寺を経て遍路中一番高所にある雲辺寺を越える。昨日の雨上がりで清々しい朝である。通学する小学生と朝の挨拶を交わす。「お遍路さ~ん」という声に振り向くと、小学生だろうか、一人の少年が飴の入ったザルを持って追いかけてきた。有難く飴を頂く。松山高速道を潜り、看板で道を確認していると、車が止まり親切に道順を教えてくれる。三角寺は標高500m。戸川公園でトイレ休憩をしていると、一人女性の遍路さんが登ってきた。8時半過ぎ三角寺に到着、山門にある鐘楼を鳴らして境内に入る。納経後、三角寺の名前の由来となった三角池を見る。本堂の小僧板の裏に秩父札所第三十一番観音堂寄贈の名前があり、こんなところにも関連があるのかと懐かしく見た。戸川公園で会った遍路さんは我々と同じ区切り打ちで、川崎からきているという。昨日から四国に入ったとのこと。休憩所で朝食を食べていた。今日は雲辺寺手前の民宿岡田までとか、しかし、我々と同じペースなら民宿岡田には2時ごろには着いてしまうだろう。

13.03.19三角寺山門前の石段

13.03.19山門

13.03.19大師堂

13.03.19名前の由来三角池

13.03.19別格霊場十四番常福寺平成25年3月19日(火曜日) 天候 晴れ
三角寺より徒歩6.0km
 三角寺よりダラダラ道を下る。高知自動車道をくぐり標高100mのところにある別格霊場第十四番常福寺(別名椿堂)に着く。今日の宿である民宿青空屋に5時ごろになりそうだと電話を入れた。椿堂を出る頃、三角寺で会ったお遍路さんも到着した。やはり速すぎるのではないかと逆に心配。国道192号を進むときれいなしんきん庵という遍路小屋があった。ここにも「10月7日佐野小学校前で、10月8日雲辺寺という説明のついた菅さんの写真が貼ってあった。すると菅さんは岡田屋泊まりか。「お遍路は長き旅路に様々な既成の我を捨てる旅なり」とある。さて、我が身を振り返り何が捨てられたのだろうか。

13.03.19三角寺を出て眼下を

13.03.19椿堂山門

13.03.19大師堂

13.03.19しんきん庵での写真

第六十六番巨鼇山雲辺寺(きょごうざんうんぺんじ)

13.03.19第六十六番雲辺寺本堂平成25年3月19日(火曜日) 天候 晴れ
三角寺より徒歩18.1km
 県境で一旦徳島県に入る。七田で峠路とトンネル道に分かれるが遅れ気味なのでトンネル道を行く。トンネルを越えると食事処水車がありビール付きの昼食。遍路姿もチラホラ見える。佐野小学校前、民宿岡田の前を通過し、いよいよ雲辺寺登り口へ。ここから約一時間行けども行けども登道が続き汗が滴り落ちる。いい加減厭になるころ標高665mの車道へ出て、さらにだらだらと登る。3時45分頃やっと到着。
 「山寺へ したたる汗に 山桜」
 四国山脈の連なる標高900mにある遍路最高所の雲辺寺。徳島県と香川県の県境(厳密には徳島県側)にある。よくもこんな高所にお寺を造ったものである。茄子の形の置物があり「おたのみなす」と記されている。女房がそのおたのみなすに腰掛けなにやら祈願する。ここから宿まで4kmチョット、一時間余りの行程か、と読んだのは大きな間違いであることはこのあと分かる。

13.03.19山門

13.03.19大師堂

13.03.19おたのみなす

13.03.19五百羅漢

雲辺寺から宿まで一時間チョットで5時を少し廻るか、と思って4時15分に寺を出た。山門を越え境内にある乳の出が悪い母に霊験があるという大師乳銀杏、道ばたに立ち並ぶ五百羅漢像の顔をのぞき込みながら頂上線分岐を香川県側に下りる。これが標高900mから一気に標高170mまで下る道で、甘く見すぎて結構堪えた。終に5時半頃宿から電話で「今どの辺ですか」と電話が入る。「あと1kmくらいです」と応えたが、まだ坂道は続く。途中途中の休み時間が長すぎたか、雲辺寺は3時過ぎには下りたい。足摺岬に行くとき先達が言っていたが、とにかく昼食や途中の休憩時間は極力少なくするのがコツのようだ。

13.03.19民宿青空屋<後記>予定時間を大幅に超過し6時前に宿に到着。宿の女将は厭な顔一つせず、既に一人食事中であったが、先に風呂を勧める。食事を待つ間にもう一人徳島からだという女性遍路が到着した。どうやら道を間違い迎えにいった様子。食事は7時過ぎになったろうか、三人で夕食。ここはバラバラの時間になった食事でも暖かい食事で対応してくれる。宿は若いご夫婦が、元々の民家をリニューアルして経営している。食事中ご主人が昔遍路した話の相手をしてくれる。この時使われた古いへんろ道保存協会の地図もみせてもらった。風呂もトイレも綺麗で随分掛かっただろうと思う。部屋数は5つ、相部屋はやっていないという。雲辺寺前の民宿岡田も評判がいいようだが、この民宿も是非泊まりたい宿である。
総歩数「55,313歩(33.1km)」8時間31分
一泊二食6,500円、トイレW2、洗濯/乾燥無料