四国札所巡り第五回(4日目)

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第四回に続いて、歩き止めの第五十三番円明寺(伊予和気)の続きから。今回は菩提の道場愛媛県から涅槃の道場(香川県)へ。四国遍路もいよいよ大詰めである。

13.03.17石鎚山か?平成25年3月17日(日曜日) 天候 晴れ
 今までは平地歩きだったが、いよいよ今日から山道に入る。実際歩くには車道より山道のほうが快い。国道のような道は最悪。昨晩遅く来た遍路さんは、18日(月曜日)の雨模様を心配して足を速めてきたという。女将から途中のファミリーマートでお弁当を買うと荷物をお接待で宿まで運んでくれるというので、荷物を一つにした。そのファミリーマートでお握り、バナナを買ってお願いしたところ快く荷物の移送を引き受けて頂いた。山道に入り、横峰寺の方からの地元の方とすれ違ったり、スタスタと我々を追い越していく人がいて、10時過ぎ横峰寺に到着した。近年では昼食を調達して登れるが、昔の遍路はいかばかりかと思うと、苦労が想像できる。

13.03.17宿を早めに出立

13.03.17澄んだ空気の中を

13.03.17車道途中のてんとう虫

13.03.17ここから本格的な山道

第六十番石鎚山横峰寺(いしづちざんよこみねじ)

13.03.17第六十番横峰寺平成25年3月17日(日曜日) 天候 晴れ
国分寺より徒歩27km
 横峰寺は、西日本最高峰石鎚山の北側中腹にあり、標高750m。しばらく車道をだらだら上がっていくと、トイレがありそこからいよいよ山道。朝の山道は清々しい。森林浴をできることが嬉しい。思ったほどの厳しさはなく、10時過ぎには仁王門に到着。境内の隅に雪が残っていた。結構寒いんですね。
 登る前に今日の宿から携帯に電話が入っていたが、山中で圏外のため山を降りる途中から電話をした。「何時ごろ宿に入るか」との問い合わせで、予約の段階では日曜は食事を出せないといっていたが、食事を用意するというので途端に元気が出てきた。やはり歩きつかれて、宿に入ってから改めて外に食事に出るのは面倒で、二食付きがありがたい。

13.03.17仁王門

13.03.17大師堂

13.03.17貴台には雪が

13.03.17地蔵尊とシャクナゲ

第六十一番栴檀山香園寺(せんだんさんこうおんじ)

13.03.17第六十一番香園寺本堂平成25年3月17日(日曜日) 天候 晴れ
横峰寺より徒歩9.6km
 横峰寺からダラダラと下りるが、山道の下りは案外時間を要する。平地を時速4kmとすると、山道の登りは2km、下りは3kmぐらい。下りだから速いと思うのは間違いで、香園寺に降りるのに結構時間を要した。歩き遍路道は奥の院を通り、13:15頃香園寺の前に立つ。どうも今までの寺と趣が異なると思ったら、「なんだ、ここは?」と。境内にはどこかの新興宗教のような巨大な建造物。鐘楼も他の建物もコンクリート製。本堂は、大師堂は思っていると、正面の大聖堂内にある。他の参拝者に従い大聖堂に入ると、全面に本尊、大師堂があり、後ろは映画館のような椅子の列。これって八十八箇所なの?と疑問を持ちながら、一緒に入った数人の団体さんの読経に相乗りして経を唱えた。なんだか釈然としない参拝である。びっくりというか唖然とした参拝だった。ここで朝買ったお握りの昼食を、割り切れない気持ちのまま食べる。

13.03.17本堂(本尊)

13.03.17大師堂

13.03.17子安大師堂

13.03.17鐘楼

第六十二番天養山宝寿寺(てんようざんほうじゅじ)

平成25年3月17日(日曜日) 天候 晴れ
香園寺より徒歩1.3km
 香園寺から車道を歩くとすぐそばに宝寿寺がある。まだ第六十番のショックが消え去らないままここにくると一転して地味、というか陰気。参拝する人も他にいない。納経場にいくと住職の夫婦だろうか、二人して景気の悪そうな暗い顔をして座っている。何とかして欲しいなと感じる。ここは早々に読経と納経を済ませ次の寺に向かう。国道、県道を歩いてくる遍路は一応に歩き遍路の楽しみを半減させている。サービス業とまでは言わないが、長い歩き遍路できた人達にせめて笑顔で迎えて欲しいものである。

13.03.17寺の入り口

13.03.17大師堂

13.03.17子安観音

13.03.17寄付の石柱

第六十三番密教山吉祥寺(みっきょうざんきちじょうじ)

13.03.17第六十三番吉祥寺本堂平成25年3月17日(日曜日) 天候 晴れ
宝寿寺より徒歩1.4km
 国道11号をJR伊予氷見駅へ向かい20分も行くと、15時前に次の吉祥寺につく。国道11号からの入り口は横道で回りこんで山門から入る。寺の雰囲気は、なんとなく遍路の寺のそれに戻ってきた。やはり空気ですかね。読経、参拝は一緒にやるが納経は女房、行程は私の分担。ここは四国霊場の中で唯一毘沙聞天を本尊としている寺で、四国第六十三番七福神の寺でもある。毘沙門天の門の字が聞になっているには、梵語多聞天から来ているようだ。毘沙門天は現世利益の神として七福神の一尊に数えられている。こんなことも納経を待つ間にガイドブックを読んで知る。

13.03.17大師堂

13.03.17山門

13.03.17桜と吉祥天

13.03.17鐘楼

第六十四番石鎚山前神寺(いしづちさんまえがみじ)

13.03.17第六重四番前神寺本堂平成25年3月17日(日曜日) 天候 晴れ
吉祥寺より徒歩3.2km
 途中石鎚神社を見て、16時前に前神寺山門に到着する。本堂は両翼に反りのある立派な造りである。前神寺は石鎚山修験の総本山。石鎚山は日本七霊山の一つ、先輩は翌日石鎚山を登山したが、我々は石鎚山登山は最初から考えていなかった。学生の頃キャラバンシューズをリュックに詰めて四国に来た時登ろうとしたが時間がなく諦めた山である。なかなか面白そうな山で名残惜しいが、もう登る機会もないかもしれない。山門前で地元の子供らが遊んでいた。明日は伊予三島に泊まる予定で、吉祥寺から第六十五番三角寺44.7kmを歩くには、今日は伊予西条まで行かなければならない。もう一頑張りである。

13.03.17石鎚神社

13.03.17山門

13.03.17薬師堂

13.03.17大師堂

13.03.17伊予西条にぎたつ旅館<後記>前神寺から湯之谷温泉を通過し、加茂川を渡り約4kmのところ、今夜の宿は伊予西条駅近くのにぎたつ旅館。途中食事処は見かけない。予約時日曜だから食事はないと言われたが、今日の電話で食事有となり助かった。客は我々二人だけ。明日の朝食はできれば早くとお願いしたら6時に朝食を用意してくれることになった。明日は参拝する寺はないが伊予三島まで36kmの長丁場である。
総歩数「57,953歩(34.7km)」8時間32分
一泊二食5,000円、トイレW1、洗濯無料/乾燥無料