四国札所巡り第六回(2日目)

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区切り打ち六回目、予讃線みの駅、第七十一番弥谷寺の続きから。今までの長い道のりを越え、最後の一国香川県(讃岐)涅槃の道場。四国遍路もいよいよ結願である。

第七十二番我拝師山曼荼羅寺(がはいしざんまんだらじ)


13.11.01曼荼羅寺仁王門平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十一番弥谷寺から徒歩3.7km
 朝6時、警備員に鍵を返し出発。今日はキロ数こそ26.2kmと少ないが7寺を廻る。寺ごとに納経、朱印をしているとどうしても20-30分取られるので、時間的余裕は然程ない。薄暗い中、少し弥谷寺の方向へ上り返し、山道に入る。天気予報では爽やかな秋晴れとのこと、天気が良いのが遍路旅にはなにより。薄くもやのかかる山道を越え、1時間もすると第72番曼荼羅寺に着く。既に車が1台駐車場に止まっていた。7時から始まる朱印の時間に合わせてのことだろうと思う。寺男の方と少し話す。「私はここでもう8年働いているが、遍路はやりたいが、なかなか歩けなくて」という。寺内の花を植え替える時期らしく、挨拶をしながら作業をしていた。この寺には樹齢1,200年を超すという弘法大師お手植えの「不老松」があったいう。高さは4m足らずだが直径が17-18mもあり、県の自然記念物にも指定されていまたが、松食い虫に浸食され、平成14年に伐採されてしまった。今では、笠松と呼ばれていた「不老松」の幹に刻んだ弘法大師座像が残っている。

13.11.01曼荼羅寺本堂

13.11.01曼荼羅寺大師堂

13.11.01笠松大師

13.11.01不老松の跡

第七十三番我拝師山出釋迦寺(がはいしざんしゅつしゃかじ)


13.11.01出釋迦寺仁王門平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十二番曼荼羅寺から徒歩0.6km
 この辺りからぼちぼち団体の遍路ツアーが増えてくる。ここには空海が7歳の時、「私は将来仏門に入り、仏の教えを広めて多くの人を救いたい。私の願いが叶うなら釈迦如来よ、姿を現したまえ。もし叶わぬのなら一命を捨ててこの身を諸仏に捧げる」と、断崖絶壁から身を投じた。すると、紫色の雲が湧き、釈迦如来と羽衣をまとった天女が舞い降り、雲の中で空海を抱きとめた、という言い伝えが残っている。昔はその山頂に札所があったらしいが今は山の麓にある。その麓から遥拝できるようになっている。

13.11.01出釈迦寺本堂

13.11.01大師堂

13.11.01捨身ヶ嶽遥拝所

13.11.01朝日が当たる空海像

第七十四番医王山甲山寺(いおうざんこうやまじ)


13.11.01甲山寺仁王門平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十三番出釈迦寺から徒歩3.5km
 出釈迦寺から約1時間歩くと次の甲山寺。途中喫茶店があったが時間が取られるので通過。一人外人がいたので話しかけてみると、ハーフの米国人。なんでも昔祖父が四国遍路をしたので、在日ではなくマサチュセッツ州から今回四国遍路をするために初めて来日したとのこと。片言の日本語で一人通し打ち遍路とはさすがと思わせる。ただ、彼とはその後会うことはなかった。
 9時半頃、パン屋があったので朝食に立ち寄る。好きなパンを選び、珈琲を飲み小休止。次の善通寺は近い。

13.11.01甲山寺本堂

13.11.01大師堂

13.11.01毘沙門天尊

13.11.01朝食に立ち寄ったパン屋

第七十五番五岳山善通寺(ごがくざんぜんつうじ)


13.11.01善通寺仁王門平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十四番甲山寺から徒歩1.6km
 寺の立派さに驚く。ここは高野山金剛峰寺、京都東寺とならぶ弘法大師三大霊跡のひとつ。弘法大師生誕の寺である。道を隔てて本堂と御影堂がある。境内は広く、五重塔が建ち、樹齢千三百年の大楠がある。昨晩同宿の車遍路のご夫婦に再会する。
 ここでは思いの他40分も滞在してしまった。まだ今日の予定の半分なので、善通寺の赤門を潜り、次の寺に急ぐ。街中には11月3日(日)には空海まつりが開かれるようで幟がはためいていた。途中変わった花を見つけ写真を撮っているとすぐに女房に遅れるのであたふたと追いかける。

13.11.01大師堂

13.11.01五重塔

13.11.01樹齢1,300年の大楠

第七十六番鶏足山金倉寺(けいそくざんこんそうじ)


13.11.01金倉寺仁王門平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十五番善通寺から徒歩3.8km
 途中遍路道案内を見逃したか、しばらく車道を歩いてしまった。道路標識は自動車用の標識でときとして回り道になることがある。幸い大きなロスはなく11時過ぎには金倉寺に到着。本堂にある願供養念珠は手で回すと上に上がった珠がカタカタ落ちて回り続け面白い趣向であった。
 ここ金倉寺は明治31年(1898)10月より明治34年5月までの間、 善通寺第11師団長として赴任した乃木将軍が、金倉寺を宿舎とさだめ、 滞在されたことでも知られている。妻の静子夫人が東京から面会に来た折、女人禁制の寺ということで会うことを拒否したとか。

13.11.01金倉寺本堂

13.11.01大師堂

13.11.01願供養念誦

13.11.01境内も色付き始めて

第七十七番桑多山道隆寺(そうたざんどうりゅうじ)


13.11.01道隆寺仁王門平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十六番金倉寺から徒歩3.9km
 道隆寺に着く手前でご夫婦と息子さんの三人から「息子が作ったものです。お接待です」と地蔵人形を頂いた。願を掛けている様子。12:42、道隆寺に着くと、今朝曼荼羅寺ですれ違い挨拶した岐阜から来た自転車遍路の若い女性と再会。テントを持って野宿しながらの遍路で、自転車では北海道を廻り、今回四国で、いずれ九州、沖縄へも行きたいという。
 さてぼちぼち昼食を思いながら歩いていると讃岐うどんの店があり休憩した。さぬきの夢と称してさぬきの小麦を使ったうどん屋の連盟。嫌がる女房の顔を無視してビールも追加。出掛けに「四国遍路」という名前の甘酒をご接待で頂く。

13.11.01道隆寺本堂

13.11.01大師堂

13.11.01多宝塔

13.11.01讃岐うどん「寿美屋」

第七十八番仏光山郷照寺(ぶっこうざんごうしょうじ)


13.11.01郷照寺山門平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十七番道隆寺から徒歩7.2km
 さて、今日はあとひとつ。右手に丸亀城、讃岐富士をみながら丸亀市を通り抜ける。県道33号を通る道で右手に入る遍路道を見落としたらしい。行き過ぎと分かり0.5kmばかり後戻り。どうも道路標識に気を取られていけない。15:27、郷照寺に到着。郷照寺からは宇多津港を見下ろす高台にあり、瀬戸大橋が遠望できる。
 宿に向かう途中自転車遍路の女性が旅館に入るところに出くわした。今日は風呂デーだそうだ。

13.11.01丸亀城

13.11.01讃岐富士

13,11,01郷照寺本堂

13.11.01大師堂

13.11.01みき旅館平成25年11月1日(金曜日) 天候 晴れ
第七十八番郷照寺から徒歩3.2km
<後記>薄暗くなる17時前、本日の宿みき旅館に到着。一泊二食5,250円は安い。女将さん一人で運営の様子、てきぱきと気持ちがよい。同宿は労働者風男性2組6名で遍路は我々だけ。明日もかなり歩くので早立ちしたいというと、朝食は6時に出してくれるというのでありがたくお願いした。天気は下り坂であさって3日辺りに雨がきそうな様子である。
(総歩程)48,376歩、29.0km、7時間