小説の樹々22年03月

夏の終わりの夜は蒸し暑くて、どこからか花火の匂いがした。空を仰ぐと百日紅の赤が夜目に鮮やかに映る。その向こうには小さな星が幾つか瞬いていて、明日も晴れだと言っている。酔った勢いで美晴の手を掴み、子どものようにぶんぶん振って歩く。鼻歌を歌うと美晴が笑ったから、私も笑った。他愛ない夏の一日だった。(「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ)

「かくれみの」の読書歴

蔵書を整理した。中学校の頃から読書を始め、最初に読んだ文庫本は伊藤左千夫の「野菊の墓」だったと記憶している。確かS.Oさんから借りたものではなかったか。今から思えば、本を貸してくれたことは実は告白だったか?学生の頃は電車通学で文庫本を読んでいたが、例外なく太宰治、芥川龍之介、志賀直哉、夏目漱石あたりから始め、三島由紀夫、福永武彦、立原正秋等へといった。借りて読むのは好きではなくほとんど購入していた。三浦哲郎の「忍ぶ川」はいつごろ読んだのだろうか。しかし、家でボヤをだし、この時代の蔵書は水浸しで全部捨てた。会社に入ってからは読書の習慣がしばらく絶えて電車の中ではビックコミックを愛読していた。いつの頃からか再び読み始めているが、多少金銭的余裕もできてハードカバーも購入し始めた。気に入った本があると同じ著者物を続けて読む傾向もある。当然ながらいつの間にか本が山積みになり始めた。でも捨てきれないでいる。(本棚左下の家マークをクリックするとマイ本棚へ)

大人になれない(まさきとしか)★★☆☆☆/ISBN978-4-344-42926-0

株式会社幻冬舎 幻冬舎文庫 初版 19年12月5日発行/22年03月15日読了

とにかくつまらない。盛り上がりも、おかしな家族の関係性も読み続ける期待がない。

母の待つ里(浅田次郎)/ISBN978-4-10-439406-7

株式会社新潮社 22年01月25日発行/22年03月 日読了

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平場の月(朝倉かすみ)/ISBN978-4-334-79265-7

株式会社光文社 光文社文庫 初版1刷 21年11月20日発行/22年03月 日読了

積読

コンビニ兄弟(町田そのこ)/ISBN978-4-10-180196-4

株式会社新潮社 新潮社文庫 第9刷 22年02月10日発行/22年03月 日読了

積読

祝言島(真梨幸子)/ISBN978-4-09-407014-9

株式会社小学館 小学館文庫 初版第1刷 21年05月12日発行/22年03月 日読了

積読

未来(湊かなえ)再読/ISBN978-4-575-52487-1

株式会社双葉社 双葉文庫 第1刷 21年8月8日発行/22年03月 日読了

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BUTTER(柚木麻子)/ISBN978-4-10-120243-3

株式会社新潮社 新潮文庫 第1刷 20年2月1日発行/22年03月 日読了

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犯罪小説集(吉田修一)/ISBN978-4-04-107386-5

株式会社KADOKAWA 角川文庫 再版 19年05月15日発行/22年03月  日読了

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植物一日一題(牧野富太郎)/ISBN978-4-480-09139-0

株式会社筑摩書房 ちくま学芸文庫 第8刷 15年8月10日発行/22年03月 日読了

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