20. 大岳山

大岳山は、その特徴ある山容から奥多摩のシンボルとして親しまれている。ここでは古里駅を基点に御岳山の最高点、男具那ノ峰(今回ここは迂回)と結んで歩くやや健脚向けのコースとして紹介する。(歩行6時間15分・一般向き/「東京周辺の山」山と渓谷社)

散策日
平成24年7月5日(木曜日)
所 感
ガイドブックには一般向きとあったが、どうして、厳しかった大岳山は標高1,267m、古里駅が標高290mだからおよそ標高差1,000m。登りのきついところでは10m行っては膝に両手を乗せハアハアと息を整え、まるで尺取虫登山。下りは約2時間下りても下りても深い山の中、やっと人家のあるところへ下りた頃には足がガタガタ。
帰りはつるつる温泉に行こうともっていたが、バスの時間が過ぎて行けず。バスで10分戻り瀬音の湯で汗を流した。風呂上りの冷たいビールは咽喉に沁みる。
交通費 上福岡-古里1,080円、白倉-武蔵五日市520円、武蔵五日市ー十里木往復420円
日帰り温泉800円、ビール900円
一日の総歩数39,182歩。


 7月5日(木)、思い立って以前から計画していた奥多摩大岳山に登った。8時少し前青梅線古里(こり)駅下車。山小屋風の駅舎でトイレを済ませ握り飯を一つ頬張り、靴紐を締めて8時10分に出発。リュックを背負った人を1,2名見たが別コースのようだ、御岳山へいく道は私一人である。
 道標はしっかりしており、道に迷うことはない。万世橋を渡り暫く行くと大塚山・御岳山の道標があり、そこから山道に入る。これがどうして結構きつい山道が続く。大塚山は標高921mだからここだけで標高差630mを稼ぐ。しかし、静かだ、何の音もしない。

7:54青梅線古里駅舎
山小屋みたいな駅舎の古里駅、もちろん無人

8:09万世橋から上流方向
まずは快調に歩き始める、山の空気が爽快

8:10マタタビの葉が白くなっている
葉が白くなったマタタビ、遠くで花を見つけられず

8:16ノリウツギ
植物園ではなく、こうした地でみるサビタ

8:18大塚山・御岳山の道標
道標はしっかりしている、ここから山道

8:48樹林の中の山道
ほとんど樹林の中で視界は望めない、それでもときおり

9:08やっと尾根筋へ
きつい山道を50分、やっと尾根筋へ出た

10:15大塚山山頂
標高921mの大塚山

 ガイドブックでは古里駅から御岳神社まで2時間35分で途中の休憩時間を足してもややスローペース、まあ、今回時間もあるしマイペースでいいやと。昨年同じ時期の鷹巣山では脱水症(?)で苦労したので今回は2Lの水を持参。しかし休憩のたびに一服はね?
 大塚山を超え御岳神社に近づくと、突然街が出現する。付近は御岳平と呼ばれ観光施設が並んでいる。一応御岳神社の階段を登り、中には入らず大岳山への道に沿って迂回する。ここで1Lの水を補給。

10:43御岳神社
御岳神社はこの上にある

10:51神社直下
今回は途中から曲がって大岳山への道を

10:34ハマナス
道ばたで見つけたハマナスの花

10:55ウツギ
ウツギ(ウノハナ)にしばしホッとする

 さて、ここからが本日のメーンイベント、大岳山の登りである。御岳神社からしばらくダラダラと平坦な道を行く。小学生の団体も歩いている。山ガールもいる。「天狗の腰掛杉」にぶつかり道は二手に分かれる。ガイドブックはここから御岳神社の奥の院、御岳山最高点の男具那ノ峰(おぐなのみね)を紹介しているが、後から来た若いカップルが滝のほうに行こうというので私もそちらの道にした。

10:59天狗の腰掛杉
推定樹齢350年、あの横枝がちょうど腰掛にいい

11:49芥場峠の分岐
芥場峠の分岐でこれからがいよいよ大岳山への登り

12:26大岳山山荘
廃墟みたいな大岳山山荘、ここからあと登り20分

12:27大岳神社
さあ、最後の登り

 芥場峠からモチノキ坂、ところどころ鎖が掛けられている。途中降りてきた人に「頂上はどれくらいですか」と聞くと「うーん、もう少し」。途中同じようなリタイヤ組みの方と抜いたり抜かれたり。「お互いマイペースで」と。尺取虫のような歩行でそれでも予定より大分遅れてやっと大岳山山荘に到着。ここからは最後ののぼり20分。この最後ののぼりがきつい。また途中数箇所の岩場は岩が濡れてツルツル滑りやすい。新調に鎖を頼りに登る。
 予定より大分遅れて、13時前やっと頂上に到着。平日と言っても数組の方がゆっくりと昼食を摂っている。OLだろうか、一人岩に座り本を読んでいる。眺望は残念ながら霞んで何も見えない。4時に下山としてここで1時間の大休憩。早速昨晩買った稲荷寿司をぱくつきながら、コーヒを沸かす。

12:55大岳山山頂やっと着いた!

13:37標高1,266.5m頂上では数人が昼食

13:12山頂からの眺望ガスっていて視界は何も見えない

13:12山頂標識馬頭刈尾根、鋸尾根下山はここから4時間とある

 14時、下山開始。私は桧原白倉に降りるが、私以外はもと来た道を戻ってロープウェイか、鋸尾根を下るようだ。概ね2時間の下山。白倉の武蔵五日市行きのバスは1時間に1本くらいあるはず。武蔵五日市から日帰り温泉によってビールを飲んで、と気分を高める。
 下りは足にくる、30分の一度休憩しながら下りていくが、行けども行けども山の中という感じで、やっと人工物の林道に出る。ここからバス停まで16分と道標が示す。この頃には足はガタガタ、ガイドブックの一般コースにしてはきついのではないか。車道に出てからのアスファルトの下り坂が厳しい。

14:37白倉への分岐
ここで馬頭刈尾根を離れ白倉へ

15:54やっと林道へ
バス停まであと16分

17:35大岳山
振り返るとあれが大岳山、よく歩いたものだ

18:47日帰り温泉瀬音の湯
日帰り温泉で汗を流す(すぐビールで補給だが)

 下山したらバスで武蔵五日市駅へ出て、専用のバスでつるつる温泉に行くつもりが、遅れたので大分待たなければならない。タクシーだと8km、2,500円くらいらしい。白倉からのバスの途中「瀬音の湯」の看板をみたがそこならちょっと待つとバスが出るというので、逆戻りすることにした。都合1時間のロスとなった。事前調査不足だった。瀬音の湯は宿泊がメインのようで、湯上りの休憩場もないが、ゆったりと温泉につかり今日の疲れを(少しでも)取り、ビール2杯を飲んで再び武蔵五日市に戻った。

<後記>曇天で眺望は望めなかったが、この時期むしろ晴天より曇りのほうが歩きやすい。徒歩6時間15分、一般向けコースと書いてあるので手頃感を持っていたが甘かった。結構厳しい歩きだった。歩いている時の辛さを思うと、こうした中後年登山(東京近郊の低山だが)は年に数回行っているが、本当に好きなのか疑問に思えるほど。今日はまだそれ程後遺症は出ていない。歳を取ると数日かかるというが明日辺りが大変なのかもしれない。しかし、暫くすると、また行きたくなるんだろうナ、とも思っている。