49.東北の灯台②

 今回の目玉は艫作(へなし)埼灯台。秋田に泊り五能線でと思っていたが都合の良い電車がない。そこで一足伸ばして能代に泊れば五能線に乗り艫作で下車、その後青森まで出られる。青森では前回取れなかった津軽三味線の店を予約した。地酒を飲みながら津軽三味線を聞く。
 青森から六ケ所村に行き物見埼(白糠)灯台に行こうと思ったが、日曜にぶつかりバスがない。それでは昔行って海霧でよく見えなかった尻屋埼灯台に行くことにした。物見埼灯台は次回にお預けで、最後は階上灯台をみて戻る日本海から太平洋に渡るスケジュールである。

散策日
令和4年(2022年)7月1日(金)ー7月4日(月)
所 感
青森県の艫作埼(へなしさき)灯台へ行きたくて能代で泊まり、時間があるので不老不死温泉で日帰り温泉を楽しむ。夜は津軽ジョンガラを聞きながら一杯。昔行った尻屋埼灯台を再訪、夜は浅虫温泉。最後は階上(はしかみ)灯台と東北をぐるりと回ることにした。灯台プラス温泉の旅であった。
7月1日(金)川越-大宮-(新幹線)-秋田-(男鹿線)-男鹿-<鵜ノ崎灯台>-男鹿-(男鹿線、奥羽本線、五能線)-能代(泊) 15,802歩(9.5km)
7月2日(土)能代-(五能線)-艫作-<艫作埼灯台>-不老不死温泉-(五能線、奥羽本線)-青森-<青森港北防波堤西灯台>-青森 18,078歩(10.8km)
7月3日(日)青森-(青い森鉄道、下北線)-下北-むつBT-尻屋埼-<尻屋埼灯台>-むつBT-(下北線、青い森鉄道)-浅虫温泉 11,590歩(6.9km)
7月4日(月)浅虫温泉-(青い森鉄道、八戸線)-角の浜-<階上灯台>-角の浜-(八戸線)-八戸-(新幹線)-大宮-川越 12,222歩(7.3km)

22.07.01秋田駅竿灯

22.07.01秋田駅男鹿線

22.07.01男鹿駅

22.07.01鵜ノ崎灯台登り口

 いつものように大宮駅で駅弁を買い、まず秋田へ向かう。このルートは今年1月にポイント故障で散々な目にあった。今日の予報は雨こそ降らないが一日中曇り。関東は例年より早く梅雨が明けたが、東北地方はまだ梅雨の中。秋田で昼食を買い込み男鹿へと向かう。
 最初の予定では「こまち11号/大宮8:45」で行くつもりだった。これだと男鹿駅でバスにも繋がる。しかし灯台近くのバス停到着から次のバスまで40分しかない。しかも灯台は道路から少し上った丘の上。地理不案内で時間が心許ない。このため早めに「こまち5号/大宮7:03」で行った。時間が余ったら鵜ノ崎海岸で時間をつぶす予定。
 男鹿駅で接続するバスはなく、歩くと4.4km。最初から疲れるのもと思いタクシーに乗った。しかし運転手は鵜ノ崎灯台(船川灯台ともいう)を知らなかった。三吉神社の隣だと言ったらナビを使いながらなんとか近くまで行くことができた。国道から津波避難道の登り口が灯台の登り口になっていて、灯台が避難場所になっていた。
 少し上ると赤い横縞の入った灯台が見える。周りは木々に囲まれていて全体を見渡すビューポイントがない。何枚かの写真を撮り、国道に降り鵜ノ崎海岸へ。

22.07.01鵜ノ崎灯台

22.07.01鵜ノ崎海岸

22.07.01男鹿駅

22.07.02能代駅

鵜ノ崎海岸は干潮時に海底の岩肌が露出するくらいの浅瀬が連なり、200mほど沖まで岩の上を歩いていくことができる。穏やかな天気の時に見られる鏡のような水面に反射した風景が美しく「秋田のウユニ塩湖」の二つ名を冠する日本の渚 100選にも指定された景勝地になっている。
 男鹿から秋田を経ず追分から能代に向かう。秋田の泊ったのでは翌日7:32の五能線に乗れない。能代はバスケの町として有名だが、駅前からして何もない随分寂しい街である。聞けば繁華街は少し離れているとか。駅から20分ほど歩き今日の宿泊地であるビジネスホテルに入る。夕食は近くに1軒だけある居酒屋。それにしては東能代も能代もホテルが一杯であったが、居酒屋の主人に聞くと、近くの工事が立て込んでいるとか。

22.07.02五能線車窓から

五能線艫作駅

22.07.02艫作埼灯台

22.07.02艫作埼灯台

 朝7時という朝食が少し早く供され、タクシーを呼んでもらって能代駅へ行き五能線に乗る。五能線に乗るのは5回目かな。前回は女房と東北の桜を見に行ったときか。艫作(へなし)駅で下車。もう一人女性が下り灯台女子かと思ったが不老不死温泉の方へ行った。駅から10分ほど歩くと艫作埼灯台に到着する。ここは来たかった灯台の一つ。曇っていた空に薄日が差してきた。

22.07.02降り売不死温泉入口

22.07.02不老不死温泉内湯

22.07.02不老不死温泉露天

22.07.02岩木山

 五能線の次の列車には2時間余りあるので、不老不死温泉に立ち寄り、日帰り温泉とビール昼食を楽しんだ。爽やかな海風に吹かれ、晴れてきた海沿いの露天風呂(日帰り温泉600円、浴衣500円)に入るのは最高だった。
 再び五能線に乗り、川辺で奥羽本線に乗り換え青森へ行く。川辺近くで岩木山が車窓から見える。

22.07.02青森港

22.07.02青森港北防波堤西灯台

22.07.02青森港新北防波堤西灯台

22.07.02津軽じょっぱり漁屋酒場

 青森駅に着くと防波堤まで2.2km。30分歩くのも面倒とタクシーに乗り、「北防波堤西灯台」と言っても、運転手は知らない、分からないという。それでも防波堤の方面に行ってもらい近くまで行った。八甲田山をモチーフにしたデザイン灯台で、灯台の趣が少し違う。桟橋はプロムナードデッキ式防波堤の先端に灯台があるため、家族連れの憩いの場所、観光スポットとして親しまれている。
 この日はもう一つ楽しみがあり、今晩は津軽じょっぱり漁屋酒場を予約してある。1月に来ようと思ったが予約が取れなかった。じょんがら節を生演奏を聴きながら地酒を飲むという楽しみに少々飲みすぎ予算をオーバーしたが。

22.07.03青森県尻屋埼灯台

22.07.03尻屋埼灯台の上から

22.07.03尻屋埼の歌碑

22.07.03寒立馬

 三日目は尻屋埼。ここは7年前の同じ時期に来たがその時は霧で灯台が霞み残念な訪問となった。今回二回目は天気も良く、128段の展望台に上ることができた。歌碑には鳴海要吉の歌、「諦めの旅ではあつた/磯の先の/白い燈台に/日が映(さ)して居た」が記されている。今回は時間も十分とってあったので、じっくり見ることができた。小さな食堂も健在で、7年前はここで昼食にイクラ丼と食べたがメニューになく、唯一のご飯物である豚丼を注文した。帰りのバスで馬を見かけた。バスが停車してくれ、旅行者に写真を撮らせてくれた。この辺はローカルバスならではというところ。
 下北駅の観光センターで、当初行こうとしていた物見埼灯台ルートを聞いておこうと思い、尋ねたところ、野辺地からの六ケ所線ではなく、むつバスターミナルからの泊線で行くことが分かった。知らずに行っていたら現地で迷ったかもしれない。下北から野辺地の快速には指定券が必要だったが気が付かず、日曜の夕刻なのに席が取れ安堵した。

22.07.03浅虫温泉椿館

22.07.03椿館宗像志功の版画

22.07.04青森県階上灯台

22.07.04車窓より鮫角灯台

 三日目の泊りは浅虫温泉、ここが好きで東北にくるとよくここで一泊する。今日は宗像志功ゆかりの椿館、記憶が定かではないが、確か昔家族旅行でこの宿の泊ったことがある。
 最終日は八戸線角の浜で下車、徒歩15分で階上(はしかみ)灯台。周りは緑地化されておりトイレも完備して、中型ではあるが非常に気持ちの良い灯台であった。ここで海を見ながら昼食を摂る。さてこれで今回の灯台巡りは終わりだが、最後に八戸線の車窓より、今年1月に行った鮫角灯台が、ほんの5秒くらい見える。今回はなかなか充実した一人旅であった。

<後記>
青森の灯台もだいぶ見て回った。東北地方の灯台はまだあるが、今度は西へ行ってみたいと思う。灯台、温泉、酒・・・旅の楽しみである。