66. 道西の灯台
北海道の灯台はおそらくこれが最後。今回回る4つの灯台はいずれも一度は行くのを諦めた灯台ばかり。江差の鴎島灯台ははやぶさの指定が取れず、積丹の神威岬灯台は路線バスが廃線、網走の能取岬灯台は網走から車しか足がない、霧多布の湯沸岬灯台は道東を回った時に時間が取れず。まさに西端から東端に北海道を横断する4泊5日旅である。
日程を組むには些か苦労した。江差から時計回りで回るか、霧多布から反時計回りで回るか、札幌では旧友たちと飲み会もしたいし。時刻表、パソコンをにらみながら今回の日程を組んだ。
散策日
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令和7年(2025年)06月27日(金)ー07月01日(火)
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所 感
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06月27日(金)大宮-(新幹線)-新函館北斗-(函館/室蘭本線/千歳線)-札幌-(函館本線)-岩見沢(泊)歩(km)
06月28日(土)岩見沢-(函館/石北本線)-網走-(タクシー)-<能取岬灯台>-(タクシー)-網走-(釧網本線)-釧路(泊)歩(km)
06月29日(日)釧路-(根室本線)-茶内-(町内バス)-下海岸入り口-(徒歩)-<湯沸岬灯台>-(徒歩)-霧多布温泉ゆうゆ-(バス)-茶内-(根室本線/石狩/千歳線)-札幌(泊)歩(km)
06月30日(月)札幌-(函館本線)-小樽-(バス)-美国-(町内バス)-神威岬-<神威岬灯台>-神威岬-(町内バス)-美国-(バス)-小樽-(函館本線)-札幌(泊)歩(km)
07月01日(火)札幌-(千歳線/室蘭/函館本線)-新函館北斗-(バス)-姥神町-(徒歩)-<鴎島灯台>-姥神町-(バス)-新函館北斗-(新幹線)-大宮
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最初の壁ははやぶさの指定券である。前回は午前中のはやぶさの指定が取れず江差を諦めた。満席の場合立ち席でも乗れるが盛岡までの立ち席はきつい。みどりの窓口に1時間も並ぶのでは望み薄のためネットで購入することにした。初日は旭川に行くだけなので5つの候補を作り、1か月前の10時、最初混んでいて接続できなかったが、一度入力をミスったらすでに第一希望のはやぶさ1号は満席、なんとか第2希望のはやぶさ5号を取ることができた。
第2の壁はホテル。駅に近く、素泊まりで1万円以下、喫煙室の条件で探すがなかなか条件に合うホテルが見つからない。そこで初日は旭川の手前の岩見沢に宿を取り、続いて釧路、札幌連泊の宿を取った。これで札幌2日目に飲み会もできる。
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14年前遍路の時泊まった民宿に宿泊した。女房が気に入った民宿で、当時撮った写真3枚をご主人に渡した。お互いそれなりに年を取り、当時の元気さは見えなかったが懐かで昔話をした。女性で一人遍路をしているロシア人のマリアという人が泊まっていて、片言の英語でしばらく歓談した。もっと英語が話せればなーと思う。
午前中牧野植物園を2時間半かけて回った。季節ごとに何度も来たい植物園である。
この日は高知から高速バスで松山まで行き、久し振り会う旧友N氏と松山で飲んだ。話が弾んで、明日釣島から戻ったらまた飲むことになった。
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釣島(つるしま)は松山市に属し興居島(ごごしま)の西方に位置する周囲約3kmの小さな有人島である。有人島といっても一軒の店舗、宿泊施設も一基の自販機もない(Wikiには雑貨屋1件、自販機1基とあるが実際はすでにない)。島にある釣島灯台は国のAランク保存灯台に指定されており、全国に23基あるAランク灯台のうち20基目の訪問である。また、旧官舎はきれいに修復されており松山市の有形文化財になっている。 ここは灯台以外何もないのに滞在時間が6時間半というのに臆して一度は訪問を断念したところ。食料、飲み物をしっかり買い込み、幸い雨は午後2時頃から降り始めるとのことで、それまでにゆっくり灯台と島内を巡ることにした。フェリーからは釣り人が3人と私一人が下船。灯台へは私一人、時折島民とすれ違ったが、むしろさっぱりと一人時間と灯台を満喫した。
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島では柑橘類とタコ漁が主産業のようでタコつぼが積まれていたり山の斜面はミカンの花が多く見られた。買い込んだ食料、飲料で、灯台前で一人酒盛りし、荷物を置き放しで山道をぶらぶら歩き、帰りには興居島小学校の釣島分校跡などを見て回った。
6時間半後に北フェリーに乗り松山に戻り、夜は再びN氏とお互い「もう会うことがないかもね」などと言いながら飲みかわした。
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最終日は松山から今治に出て大崎上島に行く。今治港は2年前に来ていて東防波堤灯台を再び見た。大崎上島へは広島の方から来るつもりだったが、25年3月末で天満(てんま)港への船が運航停止となったため、今回今治から宗方港で乗り継ぎ天満港に着いた。天満港からは島を1周する右回りバスでホテル清風館前まで行く。途中の山腹で灯台を見る。ホテルの方が山の上にある。中ノ鼻灯台は一目見ると「小さくて可愛い」感じのする灯台である。初めて現役のフレネルレンズをまじかに見た。
帰路はホテル前から右回りで大西港へ出る予定であり、うまくすればひとつ前の船に乗れるかと思ったが、そのバスは途中で1時間くらい休憩タイムがあり、左回りで行った方が早いというので30分後の左回りバスで大西港に行った。バスの案内表示は画面が暗く字が小さいので降車タイミングが分かりにくい。バスの乗り降りは初めての場所では戸惑うことも多い。左回りは遠回りとなり、結局予定通りの船になり、周りに店もない港で1時間半も待つことになった。
悪いことに帰路池袋に着くと、東武東上線は人身事故で電車が途中までしか行かず、埼京線で遠回りして帰った。
<後記>
今回は天候がすぐれなかった。短い旅ではあったが、灯台巡りに合わせて、思い出巡り、旧友との再会ができてまずまず。次は北海道を計画しているが、灯台巡りも段々しんどくなってきた。