65. 四国の灯台

 今回の四国は随分中身が「濃い」旅」なった。灯台巡りに加え、旧友との久しぶりの再会、女房と行った四国遍路の思い出巡りをすべて含んだものになった。四国は今まで遍路旅をした折、室戸岬灯台、足摺岬灯台を回り、その後瀬戸内海の灯台を中心に回った。高知灯台が漏れたが、いつか牧野植物園に行くとき合わせて回ろうと思っていた。また、釣島灯台は島滞在が6時間ということで諦めていた。今回はこれらを拾い繋ぎ合わせたスケジュールを組んだ。

散策日
令和7年(2025年)05月09日(金)ー05月12日(月)
所 感
高知灯台だけに行くわけにはいかない。また、釣島灯台に6時間も滞在するわけにもいかない。中ノ鼻灯台へは竹原からの高速船が25年3月末で閉鎖した。なかなか行けないと思っていたが、遍路の時に寄った民宿、牧野植物園、愛媛の旧友との再会、大崎上島へは今治から行ける、と次々と点が線になり、改めて四国灯台旅が実現した。2週間天気予報では天候は不順のようだが行くしかないだろう。
05月09日(金)東京-(新幹線)-岡山-(土讃線)-高知-(バス)-<高知灯台>-(バス)-高知ー(桂浜線)-のいち(泊)9,607歩(5.8km)
05月10日(土)のいち-(桂浜線)-高知-(バス)-<牧野植物園>-(バス)-高知-(高速バス)-松山(泊)21,221歩(12.7km)
05月11日(日)松山-(伊予鉄)-三津浜港-(船)-釣島(つるしま)
-<釣島灯台>-(船)-三津浜港-(伊予鉄)-松山(泊) 22,082歩(12.2km)
05月12日(月) 松山-(予讃線)-今治-(タクシー)-今治港-(船)-大崎上島-(バス)-<中ノ鼻灯台>(バス)-大西港-(船)-安芸津-(呉線)-三原-(新幹線)-東京 14,696歩(8.8km)

25.05.09岡山から南風9号

25.05.09高知駅

25.05.09高知灯台

25.05.09竜馬記念館

 天気予報では四国地方は雨。東京を発った時は曇りだったが雨雲は九州、四国地方に近づいていて、それに向かうように出立した。岡山から南風9号で四国に入る。途中大歩危を追加したが、ここは学生時代に四国旅行して以来である。高知駅に着く頃、雨が降り始めていた。高知駅に降りるのは四国遍路以降14年振りである。
 四国遍路の際、室戸岬灯台、足摺岬灯台へは行ったので、高知灯台は漏れていた。当時はまだ灯台に左程興味はなかったので、桂浜まで来ていたのに立ち寄ることはなかった。四国遍路の道は牧野植物園の中を通るので、機会があればまた来たいと思っていたが、今回牧野植物園とともに訪れた。 高知灯台は雨の中だったが、すらっとしていて晴れていればよかった。遍路の時に行った桂浜、竜馬像は一つ先のバス停だが、雨は降るし時間もなく諦め高知に戻った。

25.05.10民宿遊庵

25.05.10高知駅前の竜馬像

25.05.10牧野植物園

25.05.10牧野富太郎

 14年前遍路の時泊まった民宿に宿泊した。女房が気に入った民宿で、当時撮った写真3枚をご主人に渡した。お互いそれなりに年を取り、当時の元気さは見えなかったが懐かで昔話をした。女性で一人遍路をしているロシア人のマリアという人が泊まっていて、片言の英語でしばらく歓談した。もっと英語が話せればなーと思う。
 午前中牧野植物園を2時間半かけて回った。季節ごとに何度も来たい植物園である。
 この日は高知から高速バスで松山まで行き、久し振り会う旧友N氏と松山で飲んだ。話が弾んで、明日釣島から戻ったらまた飲むことになった。

25.05.11中島汽船フェリー

25.05.11釣島(つるしま)

25.05.11釣島灯台

25.05.11旧官舎

 釣島(つるしま)は松山市に属し興居島(ごごしま)の西方に位置する周囲約3kmの小さな有人島である。有人島といっても一軒の店舗、宿泊施設も一基の自販機もない(Wikiには雑貨屋1件、自販機1基とあるが実際はすでにない)。島にある釣島灯台は国のAランク保存灯台に指定されており、全国に23基あるAランク灯台のうち20基目の訪問である。また、旧官舎はきれいに修復されており松山市の有形文化財になっている。 ここは灯台以外何もないのに滞在時間が6時間半というのに臆して一度は訪問を断念したところ。食料、飲み物をしっかり買い込み、幸い雨は午後2時頃から降り始めるとのことで、それまでにゆっくり灯台と島内を巡ることにした。フェリーからは釣り人が3人と私一人が下船。灯台へは私一人、時折島民とすれ違ったが、むしろさっぱりと一人時間と灯台を満喫した。

25.05.11タコつぼ

25.05.11イヨカン

25.05.11旧小学校跡

25.05.11松山港外港2号防波堤灯台

 島では柑橘類とタコ漁が主産業のようでタコつぼが積まれていたり山の斜面はミカンの花が多く見られた。買い込んだ食料、飲料で、灯台前で一人酒盛りし、荷物を置き放しで山道をぶらぶら歩き、帰りには興居島小学校の釣島分校跡などを見て回った。
 6時間半後に北フェリーに乗り松山に戻り、夜は再びN氏とお互い「もう会うことがないかもね」などと言いながら飲みかわした。

25.05.12今治港東防波堤灯台

25.05.12中ノ鼻灯台

25.05.12中ノ鼻灯台のフレネルレンズ

25.05.12大西港一文字防波堤灯台

 最終日は松山から今治に出て大崎上島に行く。今治港は2年前に来ていて東防波堤灯台を再び見た。大崎上島へは広島の方から来るつもりだったが、25年3月末で天満(てんま)港への船が運航停止となったため、今回今治から宗方港で乗り継ぎ天満港に着いた。天満港からは島を1周する右回りバスでホテル清風館前まで行く。途中の山腹で灯台を見る。ホテルの方が山の上にある。中ノ鼻灯台は一目見ると「小さくて可愛い」感じのする灯台である。初めて現役のフレネルレンズをまじかに見た。
 帰路はホテル前から右回りで大西港へ出る予定であり、うまくすればひとつ前の船に乗れるかと思ったが、そのバスは途中で1時間くらい休憩タイムがあり、左回りで行った方が早いというので30分後の左回りバスで大西港に行った。バスの案内表示は画面が暗く字が小さいので降車タイミングが分かりにくい。バスの乗り降りは初めての場所では戸惑うことも多い。左回りは遠回りとなり、結局予定通りの船になり、周りに店もない港で1時間半も待つことになった。
 悪いことに帰路池袋に着くと、東武東上線は人身事故で電車が途中までしか行かず、埼京線で遠回りして帰った。

<後記>
 今回は天候がすぐれなかった。短い旅ではあったが、灯台巡りに合わせて、思い出巡り、旧友との再会ができてまずまず。次は北海道を計画しているが、灯台巡りも段々しんどくなってきた。