59. 九州北部の灯台

 九州の灯台に行くのは、遠く交通費も高くかつ不便で悩む。しかし、大瀬崎灯台には行ってみたかった。映画「悪人」やNHK朝ドラ「舞いあがれ」でロケ地になったこともあるのだが、なにしろ海に突き出た絶壁の灯台である、行かないわけにはいかない。ルートも、飛行機で長崎へ、博多から夜行フェリーで福江島へ、新幹線で長崎へ、があるが、大瀬崎灯台に行くには朝7時13分のバスに乗らなければならない。夜行フェリーは福江港での乗り換えがわずかに間に合わない。新幹線を使い、長崎港からジェットホイールに乗ればその日のうちに福江島に行けるので、一日かけて新幹線で行くことにした。

散策日
令和6年(2024年)3月30日(土)ー4月2日(火)
所 感
灯台巡りをするとき、必ず一つや二つ厄介なことが出てくる。今回も天気は天任せ。行程上の制約事項は①原則ジパング割引利用、②福江港7:13のバスに乗車、③博多での飲み会のため17時博多着、である。4月1日の伊王島灯台は友人が車を出してくれることになり、急遽樺島灯台も加えた。かなり練ったスケジュールだがミスはあるもので、最後の部埼灯台で間違った。
3月30日(土)東京-(新幹線)-博多-(特急/新幹線)-長崎-<長崎平和公園>-長崎港-(ジェットホイール)-福江港 16,061歩(9.6km)
3月31日(日)ホテル-<福江城跡>-福江港-(バス)-大瀬埼口-(徒歩)-<大瀬埼灯台>-(徒歩)-大瀬埼口-(徒歩)-<井持浦教会>-(バス)-福江港-(ジェットホイール)-長崎港-会食 31,868歩(19.1km)
4月1日(月)ホテル-<長崎眼鏡橋>-ホテル-(車)-<伊王島灯台>-(車)-樺島-<樺島灯台>-(車)-諫早-<諫早眼鏡橋>-博多 17,732歩(10.6km)
4月2日(火)博多-(新幹線)-小倉-(鹿児島本線)-(門司港)-(バス)-白野江-(徒歩)-<部埼灯台>-(徒歩)-白野江-門司港-<門司港駅>-
-小倉-(新幹線)-相生-(赤穂線)-播州赤穂-(タクシー)-<赤穂御崎灯台>-(タクシー)-<赤穂城>-播州赤穂-(赤穂線)-相生-(新幹線)-東京 26,699歩(16.0km)

24.03.30長崎新幹線「かもめ29」

24.03.30長崎平和公園

24.03.30奈良尾港子奈良尾沖防波堤灯台

24.03.30奈良尾港小奈良尾北防波堤灯台

 大瀬崎灯台にバスで行こうとすると福江港朝7:13発のバスに乗るのが必須。このため前日五島福江島に入ることが必要である。東京7:03発「ひかり501」で出発すれば「さくら551」「かもめ29」(椅子の様子が違う?)と乗り継ぎ、長崎に14:28に到着する。思ったより近い。長崎港からのジェットホイールは16:30発で2時間あったので、行ったことがない「長崎平和公園」に行った。外人の旅行客も多くみられる。あの原爆はいろいろ考えさせられる。

24.03.31福江城跡

24.04.31五島バス大瀬埼口

24.03.31五島の桜

24.03.31大瀬埼遊歩道入口

 朝は6時前にホテルを出て、ローソンでサンドイッチとコーヒーで朝食を済ませ、福江城跡を訪れた。ナップサックに必要なものを詰め替え、リュックは福江港のコインロッカーに入れ、バスに乗り、1時間20分で大瀬埼口で下車。バスだとここから駐車場まで1時間以上(3.2km)歩かなければならない。天気は曇りで心配なところだが、桜は満開である。ダラダラ車道を上って行かず、途中遊歩道に入り山道を行く。この道を使えば半分で着く。ほとんどの人は車で行くが、帰るバスまでには6時間あるから何とかなるだろう。
 この遊歩道についてネット記事があったが「遊歩道は歩かなかったので、自己判断で・・・」とある。ここは大瀬山登山への道になっており、あまり人は歩かないが、思ったほど荒れていない。40分程で車道(祈りの乙女像下)に出る。しかし、悪いことにガスが出てきた。まさに灯台で困るのはガスであり、灯台の展望が利かない。駐車場には車が一台も止まっていない。

24.03.31大瀬埼灯台

24.03.31祈りの乙女像

24.03.31大瀬埼展望台

24.03.31井持浦教会

 駄目なら仕方がないと半ば諦めながら灯台を目指す。40分程で灯台に着いたが、近づくと幸い何とか灯台の姿は見えた。バスを降りて約2時間、他に誰もいない灯台でゆっくりした。
 このあと無線電信跡、祈りの乙女像を経由し、展望台まで行く。観光バスでは展望台までしか行かないが、大瀬埼灯台の定番のスポットである。しかし、ガスのため残念ながら灯台の姿はうっすらとしか見えない。ガスが晴れる気配もなく、引き返した。バス停まで下りてきたが、バスまで1時間あり、五島に来たら教会をと思い、一つ先の井持浦教会まで歩くことにした。
 帰路のバスも貸し切り状態、16:30のジェットホイールに乗り、長崎に戻る。博多の友人A氏と思案橋で合流し軽く会食をした。

24.04.01長崎眼鏡橋

24.04.01伊王島灯台

24.04.01樺島灯台

24.04.01諫早眼鏡橋

24.03.31福江島の野生の鹿

24.03.31福江港2号防波堤灯台

24.03.31福江港3号防波堤灯台

24.03.31夜の思案橋

 博多から車で来てくれた友人A氏のご厚意で、今日は一日車移動で、伊王島灯台、樺島灯台を周る。昨日の歩きが影響して今日は両足とも太ももの筋肉痛、助かる。公共交通機関を使った場合丸一日行程になる。特に樺島灯台はバス停から往復2時間(6.2km)が厳しい。待ち合わせ場所に行く前に、長崎眼鏡橋に寄った。天気も良く、桜も満開で、両灯台を周っても半日で済んだ。車移動で時間ができたので、諫早に足を延ばし、諫早眼鏡橋にも行った。ついでに共通の友人であるY子に連絡し、お茶までした。夜はF氏に連絡して、三人で会食した。

24.04.02灯台まで最後の階段

24.04.02門司港部埼灯台

24.04.02部埼灯台

24.04.02部埼灯台の下、海沿いに建つ僧清虚像

24.04.02門司港駅

24.04.02名物焼カレー

24.04.02赤穂御崎灯台

24.04.02赤穂城

 ここまで順調に来たが、最後にミスが発覚した。どうも最後の4月2日の計画は杜撰だったようで、門司港駅で2分の乗換でギリギリバスには乗れたが、バス停から灯台まで3.5kmあり、これを1.5kmと勘違いしていた。どこの数字を拾ったのか、予定が1-2時間ずれ込む。これでは最後の赤穂御崎灯台を周る時間がない。まあ、とりあえず行こうと往復2時間かけて部埼灯台に行った。この灯台は歴史的文化財的価値が高いAランクの保存灯台で、日本の灯台50選にも選ばれている。2020年に国の重要文化財に指定された。門司港駅で時間ができたので、レトロな駅舎を見て、名物の焼カレーを食べた。
 播州赤穂に行くと新幹線までの残る時間は1時間半。タクシーではちょっと高くなるが、灯台までの往復にはこれしかなくタクシーで回った。灯台はすっきりした綺麗なフォルムだったが、周りが雑草に覆われ残念。赤穂御崎はかっては別荘も建ち随分賑わったようだが、高齢化のせいか、今は廃れた雰囲気であった。赤穂御崎は桜も有名らしいし、灯台の辺りを整備したらよい立地だと思うが。タクシーを利用したので、赤穂城へも寄った。
 予定通り、相生17:00発の「ひかり」に乗ることができて、無事に帰り着いた。「悲しみ深く 胸に沈めたら この旅終えて 街に帰ろう」

 友人が車を出してくれたおかげで、天気は良いし、車で灯台下まで行けるし、公園化され整備されていたので、長崎の2灯台は快適に回れた。まさに観光気分であった。しかし、違和感も同時に感じた。これは私の灯台巡りではなく、なにか私のスタイルと違うと感じた。戻ってから映画「悪人」を見た。まだ職員宿舎が残っていた。

<後記>
 九州は交通が不便で、あまり回ることはできない。今回は灯台+旧友との再会があり、ミスはあったが予定通り灯台を周れた。これからの九州は苦労しそうである。