54.東北・千葉の灯台

 灯台巡りの再開である。今年は寒かったから出だしが遅れた。3月上旬のJR東開業150周年フリーパスを使って、東北、千葉で見逃した灯台を巡る。フリー切符なので安く行こうと日帰り3日行程である。予めネットで調べては行くが、初めての場所、土地勘がないので細かいところは多少の不安が残る。今回のフリー切符は3日間乗り放題で22,150円。通常運賃(片道)では、鶴岡まで13,470円、岩舘まで18,140円、飯岡まで4,070円。これだけでもお得な切符である。

散策日
令和5年(2023年)3月10日(金)ー3月12日(日)
所 感
今回はフリー切符を有効に使い、今まででの東北、関東で外した灯台を巡った。初日は山形県鶴岡市にある荒崎灯台、二日目は秋田県岩舘市にあるチゴキ埼灯台、最後は千葉県旭にある飯岡灯台。これまで行きたい灯台の中では優先順位が低かったので、飛ばしてきた灯台である。フリー切符でなくては行かなかったところである。さすがに鶴岡往復、岩舘往復は、列車に乗る時間ばかり多くて少々疲れた。
3月10日(金)川越-大宮-(新幹線)-新潟-(羽越本線)-鶴岡-(バス)-加茂水族館-<荒崎灯台>-加茂水族館-(バス)-鶴岡-(羽越本線)-新潟-(新幹線)-大宮-川越 19,027歩(11.4km)
3月11日(土)川越-大宮-(新幹線)-秋田-(奥羽本線)-東能代-(五能線)-岩舘-<チゴキ埼灯台>-岩舘-(五能線)-東能代-(奥羽本線)-秋田-(新幹線)-大宮-川越 19,159歩(11.5km)
3月12日(日)東京-(総武線)-飯岡-(バス)-<飯岡灯台>-(バス)-旭-(総武線)-千葉-(武蔵野線)-北朝霞 10,562歩(6.3km)

23.03.10鶴岡亜駅前

23.03.10推億巻と灯台

23.03.10加茂水族館ドリームシアター

23.03.10荒埼灯台

 今まで新潟からは鼠ヶ関灯台、秋田からは酒田灯台にアプローチしていた。鶴岡はその間に位置するが、荒埼灯台は小型灯台でもあり、足を延ばさずにいた。十分日帰りができるので、むしろ余った時間をクラゲで有名な加茂水族館、藤沢周平の故郷である鶴岡の観光、麦きり蕎麦のグルメのどれを組み込むか悩む。最寄り駅5:41発で出発し、まずは大宮で駅弁を買い、新幹線で新潟へ。鶴岡駅は初めて降りる。雨がパラパラ落ちていてリュックカバーを掛ける。バスを降りると雨は止んでいたが風が強い。ここで最初のミス。バスはお得な1日券1,000円があるが、事前に調べた情報ではバス下車時に買うとなっていたが、現金では駄目で交通カード払いという。乗車券も風で飛ばされ困っていると運転手がなんとかSUICAで処理してくれた。
 帰りのバスまで約1時間。荒崎灯台に行き加茂水族館を周っていると時間が厳しいと思っていたが、水族館も灯台もバス停のすぐ目の前。とにかく風が強く、知らないうちにリュックカバーが飛ばされた。それを見ていたご夫婦が教えてくれて、その上かばーを追いかけ拾ってくれた。丁寧にお礼を言い、まずは水族館に避難した。水族館の入場料は1,000円だったので、30分程度水族館を見て回った。いろいろなクラゲが泳いでいるが、ドリームシアターは圧巻。
 水族館を出てすぐそばの灯台まで登る。海に飛び出た小島のような丘の上に灯台はある。小型ではあるがそれなりに存在感はあり、眺望は良い。

23.03.10致道館博物館

23.03.10旧鶴岡警察署

23.03.10荘内神社

23.03.10致道館

 さて次は市内に戻りそばを食べるか観光か。帰りの列車まで2時間ある。帰りのバスが鶴岡公園を通るので、今回グルメは諦め観光にした。決め手は藤沢修平。ちょうど蔵書を整理処分しており、藤沢周平の本54冊をネット買取に出したばかり。これも何かの縁だろうか。
 鶴岡公園は庄内藩14万石の藩主酒井氏の居城であった鶴ヶ岡城址を公園としたもので、桜の時期になると見事な桜が見られるが、残念だが今は早い。公園内、周辺を散策する。致道館博物館、旧鶴岡警察署などハイカラな建物が多い。荘内神社にお参りし、藤沢記念館に入った(320円)。致道館を周ってから、さてどうするか。適当なバスはないし、流しのタクシーも走っていない。仕方ない、歩くかと約2kmの道を鶴岡駅まで歩いた。20時ごろ家に辿り着いた。

23.03.11チゴキ埼灯台

23.03.11チゴキ埼灯台

23.03.11チゴキ埼灯台

23.03.11秋田県岩舘のフキ

 二日目は最寄り駅を6:49発。去年艫作灯台に行った折通過した岩舘で降りる。大宮から「こまち」で盛岡を経由し秋田に出て東能代、岩舘に行く。片道約7時間、お尻が痛くなった。盛岡までは「はやぶさ」と一緒で運行速度320㎞、盛岡から秋田までは130km。岩舘は無人駅だし当然タクシーもない。駅から灯台まで2.3km、帰りの列車まで約2時間弱。ゆっくり昼食を摂る場所もない。ひたすら帰りの列車に乗り遅れないように歩く。幸い道も分かり易く間違えず14:20に灯台に着いた。
 灯台の周りはきれいに整備されており、中型灯台ながら三方を海に囲まれ絶好の場所にある。灯台の多くは朝日/夕陽の綺麗な場所にある。ただし、午後に行くと写真を撮るには逆光になる。海が青く、空が青かったらと思う。途中自生するフキを見つけた。
 秋田駅に着くと18分後に予定の一本前の17:40発の新幹線があった。何故これにしなかったのだろうとちょっと疑問に思ったが、おそらく帰りの飲食物をゆっくり買おうと考えたに違いない。駅弁と酒を買いゆっくりコーヒーを飲んで18:16発の新幹線に乗り、22時過ぎに帰宅した。

23.03.12道の駅

23.03.12飯岡灯台

23.03.12飯岡灯台

23.03.12九十九里の海

 さて、今回最後の灯台は千葉県旭市の飯岡灯台、犬吠埼灯台に行った折飛ばした灯台である。最初写真で見たとき大き目な焼却炉みたいな感じがしたが、「恋する灯台」にも選ばれているし、行くしかないか。順調にいけば15:30頃には帰宅できるし、少し注意力が散漫になったような気がする。東京駅で駅弁を買うため、最寄り駅6:17発で出発した。池袋で地下鉄丸の内線に乗ろうとすると、事故のようで、急遽山手線に乗り換え。ここで池袋駅をフリー切符があるのにSUICAで入ってしまった。東京駅でSUICAをキャンセルしようとしたが、数人並んでいたのでSUICAで出て改めてフリー切符で入りなおした(198円の損)。ここで駅弁は諦めた。総武線ホームに行くと外人が「英語はできるか?」と尋ねてきた。時間があまりない。片言で聞くと京都に行くという。何故新幹線の反対側の総武線の地下2階に迷い込んだか分からないが、とりあえず上に上がり東方向に行けと伝えたが分かったかな?結局「しおさい1号」にのるのにギリギリとなった。朝食は買い置きのサンドイッチで済ませた。
 飯岡に着いたがバスの時間まで40分ある。駅前には昼食を買う店もない。灯台滞在は30分程度だから今日は昼食抜きかと思いながらバス停に行くとすぐにバスが来た。経路盤に「飯岡灯台」の文字があったので迷わず乗車したがすぐ出発した。「あれっ、出発が早いな」、バスが渋滞で遅れることはあっても予定時間より早く出発することはない。バスを間違えたと気が付いたが今更戻っても次のバスは3時間後。経路盤の文字も「飯岡灯台行」ではなく「飯岡灯台発」だった。途中で降りてもタクシーはなく、今日の日程は余裕があるしと観念して反対の終点まで行き、そこから折り返した。ただ折り返しバスも途中の道の駅までしか行かない。そこからタクシーで行くか、次のバスを待つか。タクシーは試算すると3,800円、次のバスだと灯台滞在は20分。どちらを選ぶかで、バス停が灯台近くだろうと思い後者を選択。予定外の昼食を道の駅でゆっくり摂りバスに乗った。
 飯岡灯台は小型灯台ながら、60mの断崖絶壁の上に建ち展望デッキからは市内や九十九里浜が一望でき風光明媚なところにある。平成30年6月19日に「恋する灯台」に県内で初認定された。日曜でありそこそこに人も来ていた。急ぎ写真を撮り帰りにバスに乗り込む。ここでまたトラブル。もう一人の乗客が乗車賃100円なのに1万円札しかないという。飯岡での乗り換え時間は2分である。運転手に「時間がないので私が払う」言い、100円を渡し飯岡駅に時間通りに行ってくれと頼む。運転手も厳しいが頑張ってみますと言いバスは出発した。ホームに駆け込むのと列車がくるのが同時でギリギリ間に合った。なんともいろいろあった日であった。

<後記>
今年最初の灯台巡りであった。随分長い時間列車にのることになったが、列車好きならそれほど苦にならない。公共交通機関を使うので時間的制約もそこそこあるし、細かいところではやはり現地に行ってみないと分からないことも多い。それでもなんとかしながら灯台を周っている。